#31 FC KOREA 李清敬 総監督 インタビュー Vol.3
FC KOREA特集 第4弾 李清敬 総監督 ロングインタビュー Vol.3
在日コリアンのチームとして初のJFL昇格を目指すFC KOREA。昨年は全国社会人サッカー選手権大会で初優勝し、今年は関東リーグ1部で初優勝と、2002年クラブ設立から12年間に着々と力をつけてきた。
FC KOREA特集 第1弾 第2弾 第3弾 と続いたインタビューも今回が最終回。在日朝鮮蹴球団の元メンバーであり、北朝鮮代表経験も持つFC KOREA・李清敬総監督のインタビューVol.3をお送りする。
長きに渡って在日コリアンの象徴だった在日朝鮮蹴球団がその役目に一区切りをつけた後、新たに誕生したFC KOREA。外国人6人以上在籍というチーム特性から、FC KOREAはJリーグ加盟の資格を持たない。よって彼らにとっての最高峰はJFLとなる。来シーズンから新たにJ3リーグが始まるが、日本に3部リーグが2つ併設される事について、総監督には率直な意見を伺っている。
また、全国リーグであるJFL昇格の意義、昇格する事で広がるクラブの新たな可能性についても話していただいた。残念ながら地域決勝1次ラウンド(11/8~10 青森)で敗退した為、来季のJFL昇格は叶わなかったが、今後の“在日コリアンのクラブ・FC KOREA”の歩みに注目して欲しい。(インタビュー日:2013年10月)
-チームの強化、選手補強についてお伺いします。昨今、韓国で生まれ育った選手達がKリーグやJリーグでプレーしていますが、FC KOREAにも在籍していますよね。
李 今、2人(※黄希在、朴相俊)います。これからFC KOREAがJFLに上がったら(韓国人選手も)増えるんじゃないですかね。ただ、気を付けないといけないのが、彼らがウチに来る目的は「Jリーグに入るために一時的に来たい」という事。今いる選手達はKリーグにもJリーグにも行けなくて、最後の頼みでFC KOREAの門を叩いた子達なんです。トップ選手が来たわけではなくて、韓国の雑草軍団の中の子が2人来たという感じです。そういう子達にも門を開いてあげようと。
-今後はどのようなイメージを持たれていますか?
李 上手い選手はそのままKリーグやJリーグに行きますよね。JFLに上がったら「JFLでもやりたい」という選手が来ると思います。例え実力が無くても(FC KOREAでやりたいという気持ちの選手は)有り難いから一緒にやりますけど、本当に上手かったら最初からウチには来ないでしょう。受け皿としては変わらないですけど、今までよりは“ちょっと上手い選手”が来るだろうと期待はしています。ただ、今FC KOREAで頑張っている選手達もいるわけですから、そこはバランスですよね。もちろん刺激にはなりますね。“コリアン”という民族を謳っていますから、北も南もないですし、中国朝鮮族もロシア朝鮮族も関係ない。民族ですから。
-日本での生活に慣れる事も、サッカーをやる為には大事ですね。
李 生活が落ち着かないとプレーも落ち着かないですよね。一番大事なのは就職なので、紹介してあげたりはしています。
-面倒見の良い兄貴分的な人がいるのですか?
李 マネージャーの成はそういうタイプですね。私は選手と年齢が離れ過ぎてしまっているし、黄監督が最後の教え子ですから。教え子より年下で、みんな息子のような感覚ですね(笑) 中堅のコーチ達と成が中心になってやってくれていて、後輩達からすれば私はいるだけで良いんです、という感じなんですね。それだけで有り難いですね。