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#29 FC KOREA 李清敬 総監督 インタビュー Vol.2

FC KOREA特集 第2弾 李清敬 総監督 ロングインタビュー Vol.2

在日コリアンのチームとして初のJFL昇格を目指すFC KOREA。昨年は全国社会人サッカー選手権大会で初優勝し、今年は関東リーグ1部で初優勝と、2002年クラブ設立から12年間に着々と力をつけてきた。

前回のインタビュー Vol.1 では、FC KOREAのルーツとも言える 「 在日朝鮮蹴球団 」 の誕生から散会までを、日本そして在日コリアンのサッカーの歴史と共に振り返っていただいた。戦後から約50年間、長きに渡り在日コリアンの象徴として存在し続けた在日朝鮮蹴球団は、1993年以降の日本サッカー界の成長と変化に伴い、その役割も終え散会している。

そうした時代の流れの中で設立されたFC KOREA。クラブ創立当初からJFL昇格を目標に掲げ、着実に力をつけた結果に掴んだ2012年の全国社会人サッカー選手権大会の優勝は、クラブが積み重ねた約10年間の集大成と言えるだろう。

在日朝鮮蹴球団の元選手・監督であり、北朝鮮代表の経験も持つ李清敬氏(FC KOREA総監督/NPOコリアスポーツクラブ理事長)のロングインタビュー第2弾では、FC KOREA設立の経緯からこれまでの事、在日コリアンという民族へのこだわり、KOREAだからこそ出来る日本サッカーへの貢献について伺っている。そして、11/8から始まる全国地域サッカーリーグ決勝で、念願のJFL昇格を果たす事は出来るのか。昨年の地域決勝では何が足りなかったのか、それが今年のチームにどのように活かされるのか、2度目の挑戦となるチームの現在他についてもお話を伺っている。(インタビュー日:2013年10月)

-さて、在日朝鮮蹴球団(以下、蹴球団と省略)が一時代に築いた役割を終えた頃、2001年にFC KOREAに繋がるような転換が図られるわけですね。

 在日朝鮮蹴球団から名前を変えてFC KOREAになったと思っている人が多いんですけど、それは蹴球団のOBの方に失礼です。例えば在日コリアンのJリーガーがいるじゃないですか。そういう人達が集まって選抜チームを作った時に、「在日朝鮮蹴球団」を唯一使う事ができると思っています。それを大切に守っています。

-チーム(蹴球団)は無くなったわけでも解散したわけでもないと。

 はい。1999年に蹴球団は非常設となりました。ちょうど私が在日本朝鮮人蹴球協会(※1)の理事長として活動を始めた頃ですが、協会としては「在日コリアンのサッカーを盛り上げる事」を念頭に置きました。今では、やり手の理事長が協会を伸ばして、安英学や鄭大世などが活躍するようになりましたね。また育成にも力を入れていて、協会として良い仕事をやっていると思いますよ。

-蹴球団時代は、地域の子ども達との関わりは少なかったのですか?

 蹴球団は東京にあったので、土曜日など関東エリアの朝鮮学校に教えに行ったりという事はありました。もしFC KOREAがJFLに上がったら、全国区になりますよね。先日も福島ユナイテッドとの練習試合で福島に行った際に、同胞や子ども達が来てくれました。学校にも行って泊めさせてもらいました。その時にサッカースクールを出来ればと思っていたんですけど、生徒さん達が学校行事で外に出るという事で出来なかった。去年は松本山雅と練習試合をやって、その後にサッカースクールをやりました。夜は交流会で焼肉をごちそうになりました。そういう素晴らしい事がこのチームはいくらでも出来るんですね。蹴球団時代も(地域との交流が)全く無かったわけではないですし、今はFC KOREAとしてもっとやりたいと思っています。

※1 在日本朝鮮人蹴球協会…1964年1月に設立

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