TOP>>インタビュー>>korea-interview>> #31 FC KOREA 李清敬 総監督 インタビュー Vol.3

#31 FC KOREA 李清敬 総監督 インタビュー Vol.3

-在日コリアンの人達のためというコンセプトは変わらないけれど、在日コリアンの方達だけに見に来て欲しいというわけではないですよね。

 それは東京のサッカーファンにも応援してもらいたい。昨年の全社にも、東京の代表、関東リーグの代表として恥ずかしくないプレーをしようというのがありました。優勝記念報告も東京の会長さんや役員の方達にしましたし、その人達も嫌な思いはしないじゃないですか。東京のチームとしては当たり前。チームが勝った時に自治体とかサポートするエリアがないけど、在日コリアンが全国にいるので、大きな力になると。遠征に行けばそこに在日コリアンがいるわけです。年に1回のお祭りですし、同じ民族の血が流れているので、来たら何かやってあげようというのがあります。そういう意味で遠征も楽しみだし、その地域の活性化にもなればと。

僕らがそこに行く試合はコリアジャパン祭りになる。例えば秋田に他のチームが行ったら、それは日本同士でお互い盛り上がる。僕らが行ったらコリアジャパン祭りで、国際サッカー祭り。秋田にいる在日コリアンの方の食堂だったり焼肉屋だったり、色々な所がサービスしてくれたりして、活性化になる。また違ったことが生まれるわけですね。東京でやる時は東京の人やスポンサーのためだし、別の地域に行けばその地域のために還元出来る。そういうのは面白いと思うので、特に心配はしていないです。

-FC KOREAを通して文化交流が東京だけでなく他地域でも出来る。JFLに上がれば、クラブの存在意義や価値がもの凄く上がりますね。

 在日コリアンを知らない人達に理解してもらいたいですね。色々なイメージがあるけど、良いものもあるわけですから。

-文献や本で60年、70年代の在日朝鮮蹴球団の物語を読んだ時、「あの時代だからこそ、そういう戦う人間を応援する意味があった」と感じました。あの時代のように今度はFC KOREAが日本中を遠征する。当時とはまた違う人々との交流もあるのかなと思います。

 今は時代が変わって一緒に色々なことが出来ると思うので楽しみです。昔、蹴球団の選手の時にそれぞれの地域に行って、色々なチームと試合をさせてもらいました。その時の思い出や経験があるので、今回JFLに上がった後の楽しみというか、色々な交流など素晴らしい事が出来ると思います。楽しみですし、不安は一つもないですね。

-FC KOREAというクラブがJFLに参加する意義について、李さんはどのように捉えていますか?

 一つは、やはり日本のお世話になったサッカー関係者、日本の仲間達にお礼を言いたいですし、恩返しをする意味での参戦になると思います。JFLを盛り上げる事で、日本サッカーを盛り上げる事が出来ると思っています。もう一つは、そこで日本の方や在日コリアンの方、朝鮮半島の方々にも良い刺激になって、架け橋的な役割も出来ればと。色々な発展性があると思うので、凄く楽しみです。また私達は東京都リーグ、関東サッカーリーグで戦わせてもらってきました。もし地域決勝で勝ってJFLに上がれたら、都リーグの人達や関東リーグの人達、東京都サッカー協会や地元の北区サッカー協会などへの恩返しになる。一緒にやってきた仲間達、一番大事な友人なので。そこは切っても切れないですし、一生忘れる事は出来ない。そういう人達に恩返しをする。在日コリアンのサッカーチームがJFLまで行った事はないですし、印象は大事じゃないですか。なので結果だけじゃなく振る舞いも含めて、私達が見本にならないといけない。

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