#31 FC KOREA 李清敬 総監督 インタビュー Vol.3
-JFLに上がると、必要なお金も変わってきます。新しい顧客の獲得という面ではいかがですか?
李 獲得に関しては、アマチュアなのでそんなに多くないじゃないですか。だからと言って、かかるお金は決して少なくないですし、その辺りはしっかり練っています。地域もそうですし、ポイントになる方達から「JFLに上がったらフォローしますよ」という約束もしていただいている所もあります。実際は完璧じゃないですけど、そういうものは結果と共に付いてくる部分が大きいじゃないですか。もちろん財政的な部分は、上がる前に日本サッカー協会はじめJFLの審査を通らないといけないので、そういう部分はしっかりと。選手にはそんな話はしませんけど、スタッフは水面下で動いています。
-クラブが関東リーグまで昇格し、昨年は全社で優勝しました。いよいよ日本の3部リーグで戦うとなったら、60万人の人の中から支援しようという人がもっと出てくると実感はありますか?
李 実感はあります。こっちもアピールの方法などありますけど、今言えるのはこれまで力を貸してくれた人達に良い思いをさせないといけない。彼らを前面に出すという事。後は彼らにもプラスアルファをお願いしますけど、引き受けてくれると思います。だから今までも応援してくれていたと思うので。後は新しい顧客の獲得、それは作戦を練らないといけないですね。選手、監督、コーチは試合の事だけを考えて、勝ってから悩めば良い。ただ裏方は今からそういう準備をしないと、JFLに上がった時に間に合わない。裏方と現場の違いはあると思うので、いまは成と私が駆けずり回ってやっている最中です。
-手応えとしてはいかがですか?
李 ありますね。日本だけじゃなくて朝鮮半島も、私達が遠征して交渉したら、もしかしたらスポンサーになってくれるかもしれない。JFLに上がったらそういう人達との接触も増えるので、可能性はありますよね。
-日本国内に在日コリアンの方はどのくらいいるのですか?
李 在日コリアンは国内に約60万人いますね。
-スポンサーは在日コリアンの方を中心に募っていますか?
李 それだけではなく、我々の趣旨に賛同してくださる方々がいれば是非お願いしたいです。FC KOREAは日本にありますけど、在日コリアンによる在日コリアンのためのチーム。でも日本のサッカーリーグにあるひとつのチームで、日本サッカーのためにやるわけですから。そのために日本の方達と朝鮮や韓国、在日コリアンが交流を持ったり、サッカーというツールを通して積極的にやっていこうと。コリアジャパン祭りのような事も出来ますし、サッカー教室なとも出来る。
それと勿論、日本の子ども達にも教えられる。そういう事もやっていきたいと思っています。実際ウチのチームスタッフには日本の方もいますし、いずれJFLに上がって、お金に余裕があれば日本人の有名な監督を連れてくるかもしれない。そういう部分で、日本の方達にも応援してもらえるチームにならないといけない。例えば朝鮮だけのチーム、韓国だけのチームとなると、日本の方も「近寄り難いな」となってしまうと思います。そうじゃなくて、朝鮮半島の平和を願っているチームなので、仲良くなってもらいたいですし、そういうチームを日本の方が応援してくださるのは良い事だと思うんです。同じアジアの平和だったり、そういうものに寄与するチームだったら、サッカー界の友人として日本の方も応援してくれるんじゃないかと。