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#28 FC KOREA 李清敬 総監督 インタビュー Vol.1

FC KOREA特集 第1弾 李清敬 総監督 ロングインタビュー Vol.1

在日コリアンのチームとして初のJFL昇格を目指すFC KOREA。昨年は全国社会人サッカー選手権大会で初優勝し、今年は関東リーグ1部で初優勝と、2002年クラブ設立から12年間に着々と力をつけてきた。FC KOREAの存在や魅力を伝えるにあたり、東京偉蹴FOOTBALL編集部では、まずは在日コリアンのサッカーの歴史から紐解こうと考えた。

まだJリーグも誕生していない1960年代~80年代、在日コリアンのみで構成された「在日朝鮮蹴球団」というチームがあった。日本での公式リーグ戦への出場資格を持たなかったが、全国各地を遠征し国内の強豪チームを次々と破っていく。その強さから、いつしか「幻の日本一」と呼ばれるほどであった。
今回のFC KOREA特集インタビュー第1弾では、在日朝鮮蹴球団OBであり、在日コリアン2世として北朝鮮代表に選ばれた李 清敬氏(FC KOREA総監督/NPOコリアスポーツクラブ理事長)に、在日コリアンにとってのサッカーとは、そして在日朝鮮蹴球団の存在意義とは何だったのか、など様々なお話を伺っている。(インタビュー日:2013年10月)

-本日はよろしくお願いします。まず、クラブの目指すところや歴史を伺いたいのですが、李さんは在日朝鮮蹴球団(以下、蹴球団と表記)から現在(FC KOREA)に至るまでの流れを良く知る方だと思います。

 そうですね。そこ(蹴球団)にずっと私はいましたから。

-そういう流れがある事を知らない人の方がまだまだ多いと思います。昨年の全国社会人サッカー選手権大会で優勝し、サッカーチームとしての実力を証明しました。今回は、それ以外の部分もしっかり伝え、色々な方に興味や関心を持ってもらえればと思っています。

 本当にありがたいです。FC KOREAの事を知らない人はやはり多いですし、「韓国・朝鮮(現在の北朝鮮の意。以下、朝鮮と表記)から来た」と思っている人が多いです。誤解や偏見が仮にあるのでしたら、そういう人達にしっかりと、「何だ、そうなんだ」と分かってもらえるように伝える事も、我々の仕事かなと思っています。

-クラブの事や今までの流れは、チームマネージャーの方が「総監督に聞くのが一番です、生き字引ですから」とおっしゃっていました(笑)

 そういう事だったら、私が適任だと思いますね(笑) まず、在日コリアンにとってサッカーは国技に匹敵するようなもの、アイデンティティを表現する一つの方法なんです。戦前は朝鮮半島の人達が、日本代表に加わって試合に出たような歴史的な経緯もあるじゃないですか。その中から戦後、独立国家として朝鮮も韓国も戦前からサッカーが国技として盛んで、それは在日コリアンも一緒なんですね。我々の中でも、戦前から戦後にかけて受け継いできたというのがあります。

-在日コリアンに関する文献で読んだ限りなのですが、サッカーの歴史だけでなく、改めて日本と韓国・朝鮮半島の歴史を1910年頃から掘り起こしてみました。日本の学校教育では、そこまで学ぶ機会がなかなかありません。日本人のサッカーファンの中で、特に若い世代でしっかり流れを分かっている人は、あまりいないと思うのですが?

 そうですね。日本の先生達も分かっていないでしょうし、在日コリアンサッカーについても一緒でしょうね。

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