#90 10/17 全社 決勝 福島ユナイテッド vs FC KOREA
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #90
今大会の本命を撃破! 在日サッカー界を背負ったFC KOREAが初の戴冠!
10/17(水)13時30分 味の素スタジアム
全国社会人サッカー選手権大会 決勝
福島ユナイテッドFC 0-1(延長)FC KOREA
延長前半5分、ゴール前での混戦から抜け出したのはFC KOREA・MF朴 世訓だった。GKとの一対一を迎えた彼は、務めて冷静に蹴り込んだ。「フリーだったので決めるだけだった」と殊勲のキャプテンは語ったが、5連戦の最終日という極限の状態でのゴールは、彼の勝負強さとクラブの勝利への強い意気込みが表れたものだった。
KOREAは大黒柱の不在が攻撃の停滞を招く
全国社会人サッカー選手権大会・決勝戦の舞台に立つ権利を掴み取ったのは、FC KOREAと福島ユナイテッドFC。監督も兼任するKOREA・DF黄 永宗は、「今大会の本命」と福島ユナイテッドの力を認める。KOREAもファイナリストに相応しい戦いを見せてきたが、決勝戦を迎えるにあたって一抹の不安もあった。
連戦による疲れは福島ユナイテッドも同じだが、KOREAにとって痛かったのは、FW金載東が出場停止で出られない事だった。アイディア溢れる局面の打開や、簡単には奪われない頑強なキープ力。柔と剛を併せ持ったアタッカーは、最前線からチームを支えていた。とりわけ金がヴァンラーレ八戸戦で決めたゴールは、彼の高い技術を証明するものだった。そんな大黒柱の不在は、チームにどのような影響を及ぼすのだろうか。
大会5日目となった決勝戦の舞台、味の素スタジアムに試合開始のホイッスルが響いた。
過去4試合と同じく、前線から圧力をかけていくKOREA。しかし強豪・福島ユナイテッドは、容易くゴールを奪えるほど甘くはない。先手を取る意識は出したものの、相手もしっかり耐え抜くと、次第に東北の雄が盛り返していく。だが、KOREAの守備を崩すには至らない。
「もう少し回してくると思った」と黄が言ったように、福島ユナイテッドはシンプルにボールを前線につけてきた。サイドから良質のクロスが送られてはいたが、KOREA守備陣にとっては跳ね返してセカンドボールを拾うことに集中できた。
前半1本のシュートに留まったKOREAは、やはり金の不在が影響していた。FW姜豪とFW金度祐の先発2トップは、共にスピードを活かしてスペースを突くタイプ。1.5列目で起点になる選手がいなかった事で、攻撃の構築が出来なかった。守備陣が安定したディフェンスを見せていたものの、全体的には福島ユナイテッドにチャンスの予感が漂っていた。