TOP>>インタビュー>>aries-interview>> #26 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.1

#26 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.1

-スカウティングの仕方としては、エリースの所属選手が出身大学の方から情報を得て、それを小宮さんに伝えてという順番ですか?

小宮 昔はセレクションを実施してましたが、2007年に東京都リーグに降格した時に何人か辞めたんですよ。それは彼らの気持ちがクラブに無かった。「関東リーグのチームに行きたい」と。「降格した責任は君達にもある」と言いたかったですよ。それでセレクションは止めました。クラブチームなのだから、クラブを愛してもらわないといけない。1年目から愛せとは言わない、好んでくれれば良い。2年目か3年目にライクになって、4年目、5年目にラブになれば良い。クラブを愛してくれる人が増えていくと、固まった組織は崩れませんよ。

-大学時代の縦の繋がりなどもあるのでしょうか?

小宮 エリースに来た選手が大学時代に人望があると、その人の仲間がウチに来るんですよ。「あの先輩がプレーしているチームで僕もやりたい」と。だからその時によって、早稲田大学が多かったり慶應大学が多かったり、明治大学が多かったり。

明治出身がここのところ多かったのは、インテルの長友(佑都)選手と同期の近藤慎吾、野沢大樹がウチに来てくれたのが大きい。近藤君は横浜FCの強化指定選手だったんですけど、親御さんが反対して證券会社に入社ました。そして近藤や野沢を慕って、同期や後輩が来るようになったんです。

人材が集まる時期ってあるんですよね。今は38人くらい登録していますけど、実際にAチームになるのが20人くらい。残ったのはBチーム。やはり厳しいですよね。でも7万円も払って、土日を犠牲にして来るわけですよ。土曜日は朝早いからまだ良いですけど、日曜日は遠征があると1日のほとんどが潰れてしまう。それでも試合には出られないけど、ボールを蹴って帰る。涙ぐましい努力をしてくれて本当に嬉しいけど、何が彼らをそうさせるかというと、毎週土日にクラブに来たいという気持ちがあるからです。サッカーをしたいだけなら他のチームでも出来る。それだけじゃなくて、みんなに会いたいと。それがチームワークの良さとして脈々とあるんでしょうね。練習でも明るくやる、人の事を非難したりもしない。負けた時は悔しくなるけど、そこは勝負ですから。子どもが生まれると、皆でお祝いしたりしていますね。

-エリースの場合はチームが複数ありますよね?

小宮 上にDX(エリースFC・DX)というチームがあって、東京都リーグ2部で頑張っています。平均年齢35歳ですよ。トップチームのエリースFC東京でやっていた選手が32~3歳になると、今度は都リーグのDXに行って活躍する。その頃には結婚もするし、子どもも生まれている。そうすると、選手の奥さん同士が仲良くなるというパターンがある。

40代では、シニアリーグに今年から加盟しました。エリースシニア40というチームを作って、40歳以上のリーグに参加している。このリーグも良いですよ。頑張って(味の素フィールド)西が丘や夢の島(陸上競技場)でやっています。都リーグの1部や2部より良いグラウンドでやっているかもしれませんね。それと東京都リーグ4部のもう一つ下に、都リーグのエントリーリーグというのがあって、草サッカーなんだけど50歳以上でやっています。それがエリースGC(ゴールドカード)。だから今は4チームですね。うまく縦に繋げて盛り上げていこうと。サッカーのチームメイトとしては、高校は3年間で大学は4年間ですよね。エリースというのは15年とか20年のチームメイトが沢山いるわけですよ。だから今のエリースFC東京の選手も、2年目の人も8年目もいる。長い人は、大学の体育会での4年間をずっと超えている。同じクラブにいるから愛着が生まれますよね。

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