TOP>>インタビュー>>aries-interview>> #26 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.1

#26 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.1


-レベルは都リーグよりも上がりますよね?

小宮 ですから、1994年以前とは選手の気持ちの持ち方が違う。関東リーグに行くと、土曜日も練習しないと勝てない。今は毎日練習しているチームもありますよね。上を目指してきちんと練習しているチーム、会社の福利厚生でやっている企業チーム、エリースなどのクラブチーム、そんな風に大きく三つのカテゴリーに分けられます。

-エリースがクラブチームとしてしっかり機能していく為に、大事にしている事はありますか?

小宮 ウチのホームページにも出ているんですけど、3つの“C”を掲げています。コスト、コミュニケーション、コンディション。今も選手達がだらけてきたら、必ず話に出しますね。

「クラブの3つの行動規範をコミットできないなら、辞めてもらっても構わない」

1.のコストについては、FC(エリースFC東京・トップチーム)の選手は年間で7万円払っているんです。払う人は1月~3月で全額払うんですよ。でも、全然払わない人もいます。払ってなくても試合に出場出来る、片方はベンチにも入れないけど同じクラブ員だから7万円払っている。お金が無いのもわかるけど、それでも努力しないといけない。本当に7万円払えないのなら、クラブへの入会をご遠慮してもらうしかないです。仕事以外で自分が学ぼうとすれば、遊ぼうとすればお金がかかります。英会話学校にしてもゴルフにしてもお金はかかるんですよ。プロじゃないんだから。「お前はタダで遊んでいるのか、この1年間。何事だ」と。グラウンドだって、蹴っているボールだってタダじゃない。水だってそうです。分かっているのか?と注意を促しています。

2.のコミュニケーションの所では練習をドタキャンされたり、出欠の連絡が来ない。試合中も声が出ない、監督との話が出来ない。そういった社会人の基本的な所に欠けている選手がいるので、常に注意をはらっています。

そして3.がコンディション。試合中に具合が悪くなる、前の晩遅くなって遅れたとか。30人いるメンバーで先発は11人、プラス3人で14人しか出られない。後の16人はせっかくの日曜日に家族や彼女を置いて来ているのに、栃木や群馬へ遠征しても出場出来ない事があります。試合に出る11人プラス3人は意識を高くして、選ばれた事に誇りと責任を持たないといけない。

3つのCはすごく大事です。コミット出来ないなら辞めてくれとまでは言いませんが、そういう話はしますね。

-人間性はエリースに入る上で大事な要素だと思います。一方で、関東リーグ1部で戦い続けるには、サッカーの能力も一定の水準を満たさないといけないと思うのですが?

小宮 そうですね。ですが、一定のレベルより上の選手が少ないですよね。選手の力もどうしても落ちていきます。大学4年間で培ったもので、1年間はバリバリ出来る。2年目にガクッと落ちて、それに気づくのが3年目。頭で考えている事と体の動きが微妙にずれてくる。フェイントがいつも抜ける所で抜けないとか。いつも打てるシュートが浮いてしまうとか、年々変わって来てしまう。それに気がついてからが本人の勝負となりますね。

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