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#163 10/20 JFL 第29節 AC長野パルセイロ vs FC町田ゼルビア

本領発揮の長野の前になす術のない町田

だが長野は、この失点でもまったく慌てる事は無かった。今季の長野は4月28日の第8節・藤枝戦での敗戦以降、天皇杯を含めて公式戦では無敗を続けているのだ。厳しい試合でも負けない術を持ち、選手一人一人が常に高いメンタリティを持ち続けているチームにおいて、そんなことで慌てる必要は無かった。

オウンゴールでの失点から4分後の19分、右サイドの西口から上がったクロスに、エース宇野沢が技ありのシュートを決めて、長野はあっさり同点に追いつく。すると、長野の有永、野澤の両ボランチが、より高い位置を取り始め、ほとんどのセカンドボールを拾い、ゲームをさらに優位な方向に持って行く。さらに28分にはまたも西口のクロスから、サイドから中に入って来た高野がどフリーでヘディングシュートを放つなど、次第に「長野のやりたい放題」となっていく…。

前半こそ1-1のタイであったが、両者のサッカーの質には、残念ながら大きな隔たりがあったことは否定できない。カウンターとセットプレーでしかチャンスのない町田。ボールを自由自在に動かして、どこからでも行けるぞ!というところを見せつけた長野。また、監督が選手に出している指示の「差」、そして選手に求めている「到達点」の違いが、両者の差をさらに広げてしまったことは否めなかった。

そんな状況の中で迎えた後半戦だが、51分のセットプレーの処理対応が、この試合の分かれ目となってしまう。深津の足下にこぼれて来たボールに対して、処理を躊躇した瞬間、そばにいた松原がこれを逃さす蹴り込んで、後半開始早々に逆転ゴールを奪う。するとその後は、完全に長野のワンサイドゲームとなり、町田は前回の対戦以上に完膚なきまでに叩き潰されてしまう…。

選手個々のスキルや経験値から考えれば、両者の実力差はほとんど無いと見るのが妥当だし、「経歴」だけから考えれば町田の方に分が合ってもおかしくはないメンバー構成。さらにメンバーの多くは昨年J2リーグを経験している。それにも関わらず、初戦が0-4、そして2戦目が1-5となってしまった要因はなんなのか? たまたまチーム状態が悪かった、運が無かっただけで済まされるレベルではない。

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