TOP>>インタビュー>>aries-interview>> #27 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.2

#27 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.2

-東京都には多くのチームがあり、一昨年・昨年の全国社会人サッカー選手権大会では東京のチームが連覇しています。東京のサッカーのレベルはどのように感じますか?

小宮 全国的には少子化ですけど、東京都の人口は増えているんですよね。やはり仕事を求めて、東京や関東に集ってくる。サッカーも関東リーグ1部のレベルが高いのは、それだけ良い人材のコーチがいて、良い人材の経営者がいるからだと思います。その中で「なぜ東京か?」というと、人工芝の普及というのは一つ言えます。あれは凄く大きいですよ。

昔のような火傷する人工芝じゃなくて、ワールドカップでも使えるんじゃないかという人工芝がある。どの大学も人工芝を敷いていて、ラインを引く必要がないから効率が良くなった。1日5~6試合やる事もあるので、やはり人工芝の普及は大きいと思いますね。あとは、Jリーグの影響で下部組織が増えた。関東圏はJクラブが多いじゃないですか。どこもしっかりした組織ですし、そこから漏れた子達もレベルが高い。それが東京のレベルを上げているんだと思いますね。

だから「人工芝の普及」と「Jリーグの下部組織」の広がり。20年前だと、僕らは下のカテゴリーのチームとやると5-0か6-0で勝っていたんですよ。でも今は、どのチームにも上手い人がいますね。違うのは、練習を怠けていたとか、チーム自体が整備されていないとか。ちょっと良いコーチが入って選手達の体が動くならば、すぐ強くなるチームが東京都リーグ1部にはたくさんありますね。良い選手がいますよ!ウチも欲しいくらい(笑)

-それだけレベルも向上していきますよね。

小宮 現状を具体的に挙げると、JリーグやJFLチームは別格として、レベル的にはAクラスがFC KOREA、東京23フットボールクラブ。Bクラスが日立ビルシステム,東京海上、エリース。Cクラスが三菱養和サッカークラブ、慶應BRB、早稲田ユナイテッド、CERVEZA FC東京、三菱商事サッカー同好会。この10チームが東京都リーグ所属チームの上位カテゴリーレベルかと考えています。全く私の個人的見解ですけどね。将来は関東リーグで東京勢が10チームほど集まってリーグ戦を開催したいですね。競技場の確保が大変ですけどね。

-下位カテゴリーのチームのレベルの高さは、東京カップなどでも感じますか?

小宮 感じますね。下のカテゴリーのチームはモチベーションが高いから。うちは受ける立場だから、「負けると嫌だな」とかそっちの感情になってしまう。何となく受け身になる事もあって、普段出ていない選手を出したりもしますしね。この前のゼルビアと東京23がまさにそういう試合だった(2013年7月24日天皇杯社会人代表決定戦、1-0で東京23が勝利)。大したものですよね。やはり練習をちゃんとしているチームは、あれが出来る。うちは、絶対あれは出来ないですね(同大会でエリースは0-3で横河武蔵野FCに敗戦)。うちは東京23に勝つ事はたまに出来る。だけど、東京23のようにはなれない。去年も横河と決勝PK戦まで行ったじゃないですか。全社で優勝しただけの事はありますよ。

-エリースは力以上のものを出すのが難しいという事でしょうか?

小宮 ある一定のごまかしでやっているんですよね。丹念にやってくるJFL以上のチーム、具体的に言うと、隙間を見せない相手だと難しいです。関東リーグだと隙が出来るんですよ。後半になると隙が生まれてくるので、そうするとうちがごまかせて勝てたりするんですよ。ただ、上のチームとやった時に、東京23は練習もしているから対応出来るんですけど、うちは動けない。そうすると間を取れない、きちんとディフェンスが出来ない。そこは練習しているチームと、していないチームの大きな差ですね。

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