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#27 エリースFC東京 小宮敏裕 理事長 インタビュー Vol.2

-生涯スポーツという事に関してはいかがですか?

小宮 家族を大事にしようというのが最初にあって、毎年クリスマスパーティをやったりしています。選手達がサッカーを出来るのは、家族が土日にご主人を送り出してくれるからです。年に1回はご家族を招待して感謝の心を込めてパーティしようと。今も定期的にやっていて、お子さんも凄く喜んでくれています。これは良い事だと思いますね。

-そういうイベントがある事も、選手達のクラブへの愛着に繋がるのかなと思いますが。

小宮 クラブの合コンか何かがあって、それで知り合って結婚したというのが何組かありますよ。僕が仲人をやったりしてね(笑)

-クラブを運営していくには、選手からの会費以外にもお金は必要だと思います。

小宮 OBからご寄附を年間200万円ほど頂戴しています。トップチームのエリースFC東京の会費は7万円で、それ以外は一律4万円でやっていますね。チームによって活動日数が違うじゃないですか。だからちょっとバランスは悪いんですけど、そこは納得してもらうしかない。ベースは保険料と登録料とユニフォーム代で、その他は活動経費です。本当はNPO事業収入を増やして、ウチに来れば誰でも4万円とかにしたいんですけどね。その分の収入を増やさないといけないんでが、スポンサーをつける気はサラサラないですから厳しいですね。

FCバルセロナじゃないけど市民から集められると良いんですが、いくつかのアイディアを今、理事会で話し合っています。ただ、エリースFC東京という地域名がついていても、グラウンドが無い、クラブハウスが無い。地域性が無いじゃないですか。エリースの事を知らない人が見ると、単なる草チームが発展しただけでしょと。好きでやっているんだから、自分達でお金を払ってやっているんでしょと。まさにその通りです(笑) スポンサーをつけて広告料を取るとなると、上を目指すとかギブ&テイクがないといけないですよね。テイクが出来ないからギブだけ。ですから、お金は出すけど口は出さないパトロンが出てくれば助かりますね(笑) 現状はOBがパトロンになって支援していただいています。

-その総額で年間800万円くらいになると。

小宮 事業収支で年間800万円くらいないと動けない。選手からの会費として得ているのが、1チーム30人くらいですから4チームで120人。1人5万円平均で約600万円。残りの200万円くらいはNPOの寄付金で頂いたもの。Tシャツやタオルを販売したりと、他クラブの方がやっているけど、在庫管理も大変ですし、一生懸命やっても利益は3万円か4万円ですよね。それはクラブの価値を上げる為には凄く大事なことですし、ボランティアの皆さんが一生懸命やっているクラブもあります。マッチデイプログラムを作ったり、シールを作ったり、子どもにサッカーを教えたり。でも、それはボランティア。そこに収支を入れると赤字になってしまう。「我々がボランティアで出来るのか?」となると、みんな選手だから僕くらいしかいないですよね(笑)

色々な企業に勤めている人達が、週末に集まってサッカーを楽しむという、ある意味ハイセンスな、ハイレベルな集団を目指したいんです。茶髪なんかもいないですし、無精髭もいない。ピアスもいない。結局、アスリートではなくジェントルマンを育てているんです。でも関東リーグ1部で戦っていて、毎日練習しているようなチームにも勝ちたい。負ければ悔しい。そういう風に頑張っているのは素晴らしい事だと思いますね。

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