TOP>>インタビュー>>zelvia-interview>> #20 FC町田ゼルビア 楠瀬直木 強化・育成統括本部長 インタビュー Vol.2

#20 FC町田ゼルビア 楠瀬直木 強化・育成統括本部長 インタビュー Vol.2

-進学をキッカケに、他地域に行く子達にとっても挑戦ですしね。

楠瀬 J1に行ける素質のある子はJ1に行った方が良い。出て行く子が後ろめたさを感じる事ではないし、そんなのはよくある事ですから。自分が選手や親だったら、良いクラブから声を掛けられたら、そちらを選びたいでしょ。それを「駄目だ」とかね、クラブやスタッフにはそんな小さな考えは持って欲しくない。それぞれの人にウチの価値観をもっと上げてもらう。その為にやっていますから。でもね、段々残るようになってきましたよ。とはいえね、高校サッカーの曲“振り向くなよ~♪”にはね、なかなか敵わないですよ。今でもあの曲を聞くと、僕もやっぱりモチベーションが上がりますからね(笑)

-ところで、現在トップチームの練習に参加させているユース所属選手はいるのですか?

楠瀬 今、千葉奏汰というゴールキーパーがいるんですよ。1ヶ月くらい前にトップに登録したばかりです。

「大学サッカー界の存在は非常に大きいもの」

-このままトップチームに上げる計画はありますか?

楠瀬 それはどうでしょうか。本人にもコーチにもユースのスタッフにも、その可能性はあると言っています。だけど温情で上げるほどウチはお金がないし、甘くはないのですよ。ある意味、育成のキーパーコーチとしたら夢の実現なわけですよ、いよいよだとね。今日は練習グランウンドに来ていませんが、だいたい見に来ているんですよ。こっちも引き上げたいけど、ここは勝負の世界ですからね。今、トップチームでやっている選手は生活が懸かっているから。子ども(家族)がいる選手もいる。そうなると、どのくらい意欲があるか、もう競争ですよね。

-それは本人の実力で上がるしかないですよね。

楠瀬 大人の変な狙いで、上げたり外したりしちゃったら絶対不幸になる。クラブの都合でそこを間違えたら、選手達の人生が狂っちゃいますから、見極めはしっかりしないといけない。他クラブだと“大人の事情”が最優先されちゃったりとかもあるのでね。僕は今、そこをジャッジ出来る。そういう立場にいるのは有り難いです。

-ゼルビアもそうですが、どのクラブも大卒の選手が多いです。育成組織の選手達が全員プロになれるわけではない中で、ユース(高校)卒業後の進路選択として大学は重要な存在ですか?

楠瀬 それは非常に大きいです。僕は法政大学卒なんですけど、真野亮二と平智広も法政だし、村上聖弥(産業能率大学)や岸田和人(福岡大学)も大卒。もう大学サッカー無しではなかなか難しいですよ。庄司悦大(専修大学)にしたら大学MVP()ですからね。そう考えると、大学は大事なカテゴリーですよ。そこで色々なものを覚えたりするのは大事です。高卒の良さもあるけど、大学を経てプロを目指す事も悪くありません。大学で色々な経験をすれば、それがサッカーにも繋がりますから。

第60回 全日本大学サッカー選手権(インカレ)で大会最優秀選手に選出された

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