TOP>>インタビュー>>zelvia-interview>> #19 FC町田ゼルビア 楠瀬直木 強化・育成統括本部長 インタビュー Vol.1

#19 FC町田ゼルビア 楠瀬直木 強化・育成統括本部長 インタビュー Vol.1

-楠瀬さんがFC町田ゼルビアに来る前の事も伺いたいと思います。2010年に東京Vユースの監督に就任されていますが、その時の経緯を教えてください。クラブとしても楠瀬さんしかいないという状況でしたか?

楠瀬 いやいや、とんでもない。たまたま(日本サッカー協会公認)S級ライセンスを取りに行っていて、その時に日本サッカー協会から(JFAの仕事の)声を掛けてもらっていたんです。そっちにお世話になろうかな、と思っていた時に都並(敏史)さんから電話がありました。本当に、協会に返事をする5分前くらいですよ。「ヴェルディのユースをやらないか」って。都並さんには昔から弟分みたいに可愛がってもらっていて、『都並さんに言われたら断れない、これも縁だな』と思って受けさせてもらいました。周りには止める人もいましたけどね。

-凄いタイミングでしたね(笑)

楠瀬 でも多分、僕は(順番は)3番目か4番目じゃないでしょうか。僕はその時、ジュニアユース年代(※注)を見ていたので、高校で何かをしたという実績が無かったですから。その当時はヴェルディにいた人に頼もうとしていたらしいんですけど、クラブも色々あって『もう、いないな』となって。

-東京Vユース監督時代は、2010年はJFL・横河武蔵野FCを倒して天皇杯に出場し、日本クラブユースサッカー選手権大会を2010年&2011年と連覇しています。選手、人としての成長を促しながら結果を出していますし、楠瀬さんの評価は非常に高いと思います。退任が決まった時、監督を続けたいという気持ちはありましたか?

楠瀬 それはもちろん、そうです。次の年の計画も立てていましたし、例えば高木大輔(現・J2東京V所属)をどうしようかとか、小学生達をどうしていこうかとか、スタッフとも話していました。元々『ヴェルディが潰れちゃう』というタイミングで、崔社長(当時)やOBが集まって、お金を集めながら立て直そうという中、僕は呼ばれました。協力したいという気持ちで行ったし、ユースや育成を任されて「強いヴェルディを取り戻そう」とやっていたので、もちろん続ける気でしたよ。

-志半ばで、という感じですね?

楠瀬 その時はショックでしたけど、クラブの体制が変わればしょうがない。ユースの子ども達も、「直談判します!」なんて言ってくれていたんだけど、誰が悪いとか、人のせいにしてもしょうがない。切り替えて僕は次の所で良いものを作る、子ども達も活躍していく。それしかない。

「育成クラブとして『どれだけ幸せにサッカーが出来るか』という “幸せ度” を上げたい」

-かつての教え子達を見て、どう思われますか?

楠瀬 今、(東京Vの)トップにいる前田直輝とか中島翔哉もそうですけど、みんな頑張っているのは嬉しい事だし、それに負けないように僕も頑張らないといけない。今の立場になる前、(2012年に)僕はFC町田ゼルビアユースの監督だったんですけど、最終戦が東京Vユースだったんですよ。0-1で負けてしまいましたが、まあまあ良いゲームをしていましたよ。

-それもまた、巡り合わせですね。

楠瀬 今週はユースが練習試合をやったりしているんだけど、それで勝ったから、負けたからどうとかじゃなくてね。クラブとして『どれだけ幸せにサッカーが出来るか』という “幸せ度” では上げていかないといけない。もちろんヴェルディでもやれるんだったらやりたかったですけど、逆に今ここに携われている事は、それも僕にとっては良かったなと思っています。

 当時、栃木県内の東京V支部 VERDY S.S.小山でジュニアユース監督を務めていた

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