#18 横河武蔵野FC 依田博樹 強化担当 インタビュー Vol.3
-金守選手をキャプテンにしたというのは、人間的な面も含めてですか?
依田 今の若者でグイグイ引っ張っていくタイプっていないですよね。昔ながらのキャプテンシーというか。キャプテンって、別に試合に出ないといけないわけじゃないと思うので、試合に出られる選手という基準では考えていなかったです。金守は口下手ですけど、思っている事や考えている事は、共感を持てていたんです。後はそれをどう鍛えるかというのが、彼の成長にも繋がると思います。キャプテンは誰にやらせても一緒だろうというのがあったので、その肩書きを選手の成長のために使いたかった。後は、金守と岩田でチーム全体のコミュニケーションバランスを取ってもらう。仲の良い者同士でグループが出来るじゃないですか。そうなった時、あの二人はどこにでも顔を出せる。
「いつかは必ず、彼らもチームを離れる。どこに行っても通用する人であって欲しい」
-1年が経ちましたが、金守選手のキャプテンとしての成長はいかがですか?
依田 去年だけじゃ、まだまだですね(笑)
-年末の感謝祭の時に、金守選手が非常に立派な挨拶をしていて、その後、依田さんのスピーチでも『金守が良い事を全て言ってしまったので』とおっしゃっていました。あの時の金守選手のスピーチは良かったですよね。
依田 昨年は天皇杯での活躍もあって、メディアの前で話す機会が多かった。「どういう事を話せば良いのか」という反復が、1年を通して出来たのでしょう。それが良い訓練になったんじゃないかな。(人前で)話すという事が出来るようになってきたんだと思いますよ。
-ちょうど1年前に、金守さんと話す機会がありました。その時は怪我をしていた事もあってか、目線も合わせてくれず、少し大丈夫かなと思った記憶があります。
依田 彼自身が今、会社で新入社員を担当をしているんです。自分が教える立場、見本にならないといけない立場にあるので、入社した頃に比べれば成長しているかなと思います。
-選手としても社会人としても人間性が伴っている事。それが横河の選手に相応しいんだ、という流れになると良いですよね。
依田 いつか必ず、ここ(横河のトップチーム)から出て行くわけですから、どこでも通用出来るようにしないといけない。『違うチームに行ったらダメだった』と言われたくないですし。
-ユースもトップチームの選手も、いつかはクラブを離れ、また戻って来るかもしれない。「横河の選手は社会性の面でも一定のクオリティがある」と、外から見ても伝わるようなら、クラブも繁栄していくのだろうと感じます。
依田 そうですね。クラブとしては歴史(1939年創立)がありますけど、まだまだヨチヨチ歩きが始まったくらいですから、クラブとしての成長はこれからだと思いますね。
-本日はありがとうございました。これからの横河武蔵野FCの成長、変化に注目していきたいと思います。
(了)