#18 横河武蔵野FC 依田博樹 強化担当 インタビュー Vol.3
-それは「ゆとり教育」などの影響もあるのでしょうか?(笑)
依田 若手選手には同じ感じの匂いがしますね。僕も会社(横河電機)で人事をやっていて、新人社員を見ているんですよ。でも、『ゆとりのせいじゃないだろ』とは言っています(笑) こちらからのアプローチの仕方も変えないといけないのかな、と思いますね。
「今後、日本サッカー界が変化していく中で、いかにクラブを存続させ、そして成長させられるか。」
-ここから2~3年の間に、クラブの形をハッキリ示すべきでしょうか。不明瞭のまま、アマチュアサッカー界の中に埋没してしまったら、本当に勿体無いですし。依田さんは選手時代からこのクラブと共に歩んでいて、特別な気持ちがあると思いますが。
依田 サッカーを通して成長させてもらった部分は大きいですからね。(クラブの形については)マイペースでやっていくしかないんだろうなと。周りの人の事も、もちろん考えなければいけないですから。サッカー協会に踊らされてペースを狂わせると、上手くいくモノもいかなくなってしまう。今の段階で『Jを目指さない』と言ったら、「この先もJに進めない」というわけじゃない。今後、サッカー界の中で何かが変わってくる可能性もあります。なので、まずはしっかりクラブを存続させて、変化があった時に上手く乗っていければと思っています。
-今まで以上に、これからは「時代や経済環境の変化に対応できる」サッカークラブが生き残りますよね。
依田 (サッカー界の)風向きを自分達ではまだ変えられないですからね。風向きを変えられるチームはあるんでしょうけど。それを自然に変えられた時に、どこまで自分達で(経営、強化を)軌道に乗せられるかですね。
-その時の勢いで『Jリーグを目指します』と言っているクラブも多いのではないでしょうか?
依田 「どちらが良いか」というところでは、答えが無いと思います。目標を掲げて、そこを目指して、「だから、やらなきゃいけない」という状況を作ってやるのは厳しいでしょう。ですが、目標に向かってやっているという実績は我々より(他JFLクラブのほうが)あります。やり方にもよりますけど、それで「どれだけクラブが成長するか」が大事だと思います。
-ユースからトップに上がる選手も増やしていきたいとおっしゃっていましたが、今の中高生にとっても、トップチームでやりたいという気持ちにさせないといけないですね。
依田 唯一、天皇杯(ベスト16進出)の効果があったのは、そこだったんです。(横河のアカデミー組織の)中学や高校の指導者の話では、天皇杯が刺激になったみたいで、『トップチームでやりたい』と思っている選手も出てきているようです。もちろん、FC東京や東京ヴェルディのユースでやりたい子は沢山いると思いますが、『高校卒業後も横河武蔵野FCでやりたい』と思い描けるようなチームにしていかないといけないと思っています。
-依田さんが監督だった6年間で、大学を経由して戻ってきた選手はいるのですか?
依田 トップチームのセレクションまでは残りましたが、その後に大学進学し卒業して、また戻って来られるような所まではいっていないですね。