#18 横河武蔵野FC 依田博樹 強化担当 インタビュー Vol.3
-(今年1月)ドイツ2部に移籍した阿部拓馬選手(横河ユース→法政大→東京V)は当時どんな子でしたか?
依田 横河ユースでプレーしていた時、僕は当時コーチだったんですけど、黙々と淡々とやっていましたね。その彼が「まさかドイツとは」という気持ちです(笑) でも、元々プレーはそれくらいの力がありました。多分ユースの時に、トップチームの試合にも出たと思います。ただ、気持ちを表に出すタイプじゃなかったので、「どこまで出来るのかな?」と思っていました。今では点が取れる選手になりましたね。
-彼も(東京V加入後の)プロ3年目くらいから、突然『ボールを俺によこせ』というタイプの選手になりました。大学卒業時の22~3歳の時と比べても、凄い変化だったと思います。
依田 結局、ウチでやっている選手は街クラブの中で「三菱養和(SCユース)の次」という感じで、自信が持てないんですよ。ユースに良い選手は沢山いるんですけど、『自分はトップチームじゃ通用しない』と決めつけてしまう。大学に行ってしまう子が多いですし、メンタルの部分が変わってくればと思っています。それ(自信)を少しでも感じられるように、トップチームに上げて『やれば出来るんだ』というところを見せていきたいですね。
-依田さんはこれから育成組織のコーチや監督と接する機会も増えていくんですね。
依田 ユースはユースの中で公式戦があって、監督も勝ちたいという思いがある。公式戦と関係ないところでトップチームの練習に参加させるとなると、それなりの覚悟も必要です。なので、そこは上手く調整したいなと。
「ユース、トップ、OBを繋ぐのが僕の役目」
-東京Vなどは高校1~2年生からトップチームの練習に参加させています。横河もそれが出来れば、選手達に自信が芽生えるのではないでしょうか。
依田 一緒にやって、色々な経験をさせてあげられればとは思っています。それでユースの力にもなってくれるのが一番良いですね。
-ユースからトップチームに上げる場合、その子は大学に行かせながらという形になるんでしょうか?
依田 「行かせられる」という状況は作れないと思います。どういう進路を選ぶかは、両親と本人に任せる事になる。ただ大学は行ってもらわないと、僕らとしては少し怖いなという気持ちもありますね。
-ところで、現在の横河電機の本社に、当時のサッカー部に関わっていた人は少なくなっていますか?
依田 まだ会社の中には沢山いますけど、今はサッカーの現場にあまり関わっていないです。そういったOB達がクラブから離れてしまっている。今でこそシーズンの最後にOB戦をやっていますが、そこの部分のテコ入れもしないといけないですね。関東リーグやJFLの昇格を経験している人達なので、これからは僕が橋渡し役を出来ると思います。
-直属の部下はチームの中にいるのですか?
依田 金守が同じ職場にいます。
-職場で上司と部下、現場で監督と選手という事で、気持ちの切り替えは難しいですか?
依田 選手の方が出来ないのかもしれないです。こちらは言う側なので、言われる方がその切り替えが難しいかもしれません。ただそれも、トレーニングで慣れてしまっていると思いますけどね。