#18 横河武蔵野FC 依田博樹 強化担当 インタビュー Vol.3
-選手のスカウティングについて伺います。これからは依田さんや吉田監督が、大学や高校のサッカー関係者に声をかけていくのでしょうか。
依田 行きたいと思っています。今までは、私は毎週現場があったので行けていなかったです。吉田さんは明治大学出身で、コーチもやっていたので情報はありました。ですが、ウチに入る所までは至らなかったです。我々のリクルート、強化の仕方も変えていかないといけないです。会社(横河本社)の採用も難しくなっていて、今は採っても(サッカー枠で)1人。今後その1人の採用枠が出てくるかさえも、分からなくなってきています。たった1人ですけど、「大卒の新人選手を獲れる」という貴重な枠なんですね。ただ、我々のリクルートは一般社員と同じ採用活動なので、まさに今(2月)なんですよ。
-いわゆる(大学3~4年生の)就職活動組を、ですね。
依田 関東大学リーグ1部や2部でやっている4年生が、この段階でプロか社会人かは決められない。決められる選手の方が少ないでしょう。では、どうするかと言えば、例えば大学の繋がりですよね。『去年の先輩が行ったから俺も行ってみよう』というような形で声をかけて練習などに来てくれる。そこで、人物やサッカーを見て決めさせてもらっているのが実情です。
-今のやり方ですと、毎年、理想的な補強が出来るわけではないですね。
依田 それは現実としてあります。後はセレクションに来てもらうくらいです。周りの人からすれば、『去年、天皇杯であそこまで行って、テレビにも取り上げられたから人が集まるんじゃないの?』と思うかもしれないですけど、質と量を考えると(天皇杯の影響は)そこまで無いですね。
「社員採用枠は最大1名。今後の選手獲得策が課題です」
-今の時期に(移籍、新加入など)動かざるを得ない選手の中で、数%の選手しか横河を選ばなかったという事ですよね。
依田 やはり選手も生きていかなければいけないので、雇用を整備してあげる事がウチにとっても重要課題です。少なくとも「サッカーだけでお金を与える事」はまだ難しいので、働く場所を確保してあげたい。そうでなければ、チーム強化は出来ないかなと感じます。
-JFLという国内3部リーグは、アマチュア選手にとっても魅力的だと思います。ただ、仕事とサッカーがワンセットで見えないと、セレクションに行こうという気にならないですよね。
依田 僕らも(スカウティングで)見るカテゴリーを少し変えていこうと思っています。関東1部や2部じゃなくても、東京都1部とか社会人リーグで頑張っている選手もいないかなと。そういう所にも目を向けていくのもアリだと思っています。何よりも、ウチに来てハッピーな状況を作ってあげる事が最初ですね。
-依田さんは運営と現場の橋渡しをする立場ですよね。『横河をこれからどうしていこうか』と、考える部分、携わる分野も広がっていくと思います。
依田 もちろん、そうです。その中で「横河電機」はキーファクターになると思います。ココとの橋渡しは非常に重要になってくる。本社採用についても(選手を)採らなくなれば、我々を含めいずれ横河電機の社員(選手)はいなくなる。今ある(U-18以下の)育成チームの中から、トップチームに上げる事も考えないといけなくなるでしょう。ピラミッドの頂点であるトップチームが、どのリーグにあるべきかは、その時に決めれば良い。リクルート活動もユースからどんどん引き上げて、チームを作れればそれに越した事はないでしょうし。