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#15 横河武蔵野FC 依田博樹 強化担当 インタビュー Vol.1

「6年というマンネリ感。一体感を取り戻したかったが、色々な事がうまく進まなくなった」

-せっかくなので戦術的な話も聞かせてください。天皇杯予選の頃から、しっかり守ってカウンターというスタイルが形になり始めました。理想と現実の葛藤は当然あったと思いますが、その心情を詳しく教えて下さい。

依田 (2位になった)2009年の流れで2010年に入っていきました。「自分のやりたい事を選手に求める」というサッカーです。ただ、そこで結果が出なかった。2011年は震災の影響で練習量も確保できなかった。その中でチームに一体感を植え付け切れなかったな、と。2012年も、『もう一度2009年と同じようなサッカーができないか?』と模索しましたが、どうも私と選手の間で色々な事がうまく進まなかった。私が求めているサッカーを目指すよりは、『勝つ事が良い刺激になるんじゃないか?』と段々と考えるようになりました。守って1点を取って勝つというスタイルが、チームにとって最もプラスになるんじゃないかな、と。そう決断したのが、あの夏でした。

-そうした戦術の変化に、選手達もすんなり移行できたと思いますか?

依田 選手が戦術の変化を感じる部分はもちろんあったと思いますが、私はあまり(彼らが感じているか)考えなかったです。元々、守備を全くやってこなかったかというと、そんな事はないですし。夏以降は、「ディフェンスをする事が嫌いじゃない、得意な選手」を必然的に選んで出していたと思います。それが平岩(宗)の起用だったり、小山(大樹)をセンターバックで使ったりという変化でした。「ボールを持っていない局面でも活躍できる選手」をチョイスしていったという状況でした。

-そういう事だったのですね。さて、今年から吉田康弘氏がプロ監督として就任しました。選手達の刺激になっていますか?

依田 皆、口にはしていないですけど、なっていると思いますよ。

-依田さんが監督から退くことを決めた時、次は吉田さんにバトンタッチしようという気持ちでしたか?

依田 私はそうでしたね。吉田さんに(コーチとして)ここである程度経験してもらって、次をお任せしたいと思える人だったので。自分だけがのし上がる、自分だけが良ければというタイプの人じゃないですから。

-吉田さんの指導者としての考え方がクラブにもマッチしていると。

依田 いや「マッチしてくれる人」、合わせてくれる人だろうなと。状況を理解して動いてくれる人なので、クラブとも合うはずです。

-ピッチレベルではどのような事を期待していますか?

依田 日頃から、吉田さんが言っているのは技術面より気持ちの事なんです。吉田さんはJリーグや地域リーグ、海外などを経験していますから、『本当にそうなりたいんだったら』という言葉に、私より説得力がありますよね。少なくともその部分は、私よりプラスに働きます。

-監督を辞めても、現在の強化担当のようにチームには残りたいという気持ちはあったのでしょうか?

依田 何かしらやりたいな、という思いはありました。

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