#4 スフィーダ世田谷FC 川邊健一監督インタビュー Vol.2
スフィーダ世田谷フットボールクラブ 川邊健一監督 ロングインタビュー Vol.2
現在、日本女子サッカーリーグ2部の「プレナス チャレンジリーグ」に所属しているスフィーダ世田谷。
地元中学生の為のチームとして誕生、東京都女子サッカーリーグ3部から一歩ずつ階段を上がり、トップチームは僅か10年というスピードで「なでしこリーグ2部」まで駆け上がっている。
しかしトップの強化だけがクラブの目標ではなく、地域との連携を深めながら『クラブと人が共に成長していく事が大切』と川邊監督は語る。東京都という大都会の中で、最初から恵まれた環境が用意されているクラブではなかった。そんな中で、クラブはいかにチャレンジしてきたのか? 前回のVol.1に続き、クラブの取り組みについてインタビューをさせて頂いた。(インタビュー日:2011年12月)
-現時点(2011年)ではウルトラマン商店街との連携はいかがでしょうか?
川邊 2007年にスフィーダを法人化した時に「地元に女子チームがあるんです!“ウルトラマン商店街”を胸に付けて戦いたいんです!」と飛び込みでお話して、2008年度からオフィシャルパートナーになって頂きました。
-ユニフォームの胸スポンサーというわけではなく?
川邊 私達は胸に付けて戦えれば(街の)誇りになります。僕の地元も祖師谷なので、少しでも宣伝になればと、無料で付けています。本当は(胸スポンサーは年間)有料なんですけど、無料で付ける形になりました。
-そう言えば9/11公式戦の告知ポスターが商店街に沢山貼られていましたが、色々とお金もかかりますよね。
川邊 9月11日の時(※1)は試合告知ポスターを作りましたが、実はクラブがポスター制作費を出していないんですよ。早稲田大学の学生さん達の卒業研究で“どれだけ集客できるか”という試みがありまして、全て学校側の経費で制作して頂いて、ウチは1銭も払ってないんです。
-なるほど、そういった工夫があったのですね。しかし、10月に訪れた時は何も無かったのですが?
川邊 ええ、その時のポスターは卒業研究の一環として制作したので、「9月11日の試合が終わったらすぐ外して下さい」となっていました。だから10月の時は何も無かったのだと思います。
「スフィーダ世田谷FCを中心としたコミュニティを作っていきたい。」
-クラブの認知度アップやチーム名の露出など今後はどう展開していきますか?
川邊 私達もここ(2011年11月)で初めてポスターを作りまして、今は商店街に100枚位は貼ってあると思います。でも、店舗の中に貼っているお店が多いので、通りを歩いているだけでは見当たらないんですよ。商店街の街路灯に(スフィーダの旗が)付けば、自然に目に飛び込んでくると思いますが。2008年から商店街の清掃活動(※2)をずっとやってきていますが、通行人が居ない時間帯にやっているので(笑)地域の方達でスフィーダの事を知らない人はまだまだ沢山いますね。
-既に3年が経っていますが、まだまだだと。
川邊 地元の商店街という限られた空間ではありますが、ウルトラマン商店街を胸に付けて戦っていますし、もっと多くの人に知って貰いたいですね。東京という街特有の、地域性の問題だと思うのですが、他道府県から来る人達が多いので、なかなか地元愛というものが薄いという点もあるのかな。
アメリカみたいな(色々な地域から人が移り住んでいる)土地だと思うんですよ、東京って。ここ世田谷区もそうなんですが、そんな中で私達は『スフィーダを中心としたコミュニティ』を作っていきたいのです。街でスフィーダの話を住民の人達が話している。まずは「今週、スフィーダの試合だね」って話題にのぼる事が目標です。
※1 7月の女子W杯優勝後、リーグ戦が再開したホームゲームで過去最高動員となる1004人を集めた
※2 スフィーダ世田谷FC公式HPを参照 「ホームタウンとの地域連携」