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#4 スフィーダ世田谷FC 川邊健一監督インタビュー Vol.2

-話は変わりますが、今まで(2011年)は練習スケジュール等は非公開でしたよね。

川邊 2012年度からはトップチームの練習場は公表していきますよ。むしろ「スフィーダ世田谷とパートナー関係にある」と謳える事は、先方にもメリットがある場所なんです。今までは選手達の安全面も考慮して、別に公表しなくてもいい事は言わなかったのですが。今回の業務提携の話は、公表してこそ先方に意味がある事なので、情報は出していく予定です。

「アマチュア選手は仕事が第一優先。クラブはプロ契約できるように成長していく。」

-アマチュア選手は仕事とサッカーのバランスを保つ事が難しいと言われます。練習に選手が集まりますか?

川邊 選手全員が来ますね。練習に来ない選手が逆にいないぐらいです。もちろん仕事の関係で遅れて来る事はありますし、仕事でどうしても行けないという事はたまにあります。でも、アマチュア選手は『仕事あってのサッカー』ですから。選手にはそこを勘違いしないで欲しいですね。仕事で残業するのはしょうがない。それがなければ、サッカーも出来ないんだから「仕事は第一優先しろ」っていつも話しています。

-サッカーの前に社会人として、ですね。

川邊 仕事を頑張っているから「練習があるから早く帰らせてくれ」ではない。仕事を頑張ってるからこそ、周りの社員さん達に「練習があるのに帰らないでいいの?」と言ってもらえる環境を自分で作らないと。それが基本ですし、そう言ってもらえるように、まず仕事で努力しないとサッカーどころではないんです。

-サッカーが出来る環境を自分で作っていかないといけない。

川邊 だから第一優先は仕事。選手達はプロじゃないし、アマチュアなんだからしょうがない。プロになりたければ「もっと上手くなれ!」って話なんです。と同時に、私達の最終的な目標も、スフィーダがプロ契約ができるようなクラブになる事。選手と一緒にクラブが成長していかなければならない。

-プロという大きな目標の為にも、クラブは飛躍しなければと。まずは1部昇格ですね。

川邊 私達の夢は、日テレ・ベレーザとなでしこリーグの公式戦で“東京ダービー”をやる事なんですよ。今はそんな事を言うのもおこがましい、足元にも及ばないので、大々的には言えないですけど(笑) ずっと、それを目標にやってきましたから、是非いずれ戦ってみたい、リスペクトしている相手ですね。

-資金が豊富にない事は分かりましたが、それでもなでしこクラブとしての運営費はかかると思います。スフィーダの場合、どうように運営されているのでしょうか?

川邊 大まかに分けるとサポーターズクラブの収入、スポンサー収入、アカデミー組織の月謝収入ですね。

-なでしこ2部は東西に分かれていますが、交通費や試合前日の宿泊代金の支出も多いかと思います。

川邊 実はチャレンジリーグ(2部)自体が、なでしこ1部リーグの“育成団体”という位置付けで、スポーツ振興くじtotoから助成金を受けていて、交通費などを負担してくれています。なでしこリーグ1部に上がると、育成名目の助成金は無くなりますので、昇格するまでには運営基盤を強化していく必要があります。全国リーグとなるので移動・交通費も更に掛かるでしょうね。

-なるほど。リーグ連盟も色々と支援されているんですね。

川邊 2012年からチャレンジリーグもEASTとWESTという東西に分かれたリーグ戦を撤廃して(※5)全12チームによる全国リーグになるみたいですから、試合数も多くなって大変にはなります。まぁ東西に分かれていて、同じチームと3回も対戦するより、ホーム&アウェイで22試合、色々なチームと対戦するほうが楽しいです。女子サッカーの発展の為にも、チャレンジリーグが全国リーグになるのは良い事だと思います。

※5 日本女子サッカーリーグ公式HPを参照 「新シーズンに向けて

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