#6 スペリオ城北 宮坂一朗GMインタビュー Vol.3
スペリオ城北 宮坂一朗ゼネラルマネージャー ロングインタビュー Vol.3
北区を中心とした城北エリアをホームタウンとするスペリオ城北は、J1から数えて7部に位置する東京都社会人サッカーリーグ2部に所属している。注目すべきは、23区内のクラブとして敢えて東京都全域をターゲットとせずに、クラブと地域の繋がりを密にした、多岐にわたる活動を行っている点だ。
Vol.1&Vol.2と続いた宮坂一朗GMインタビューの最終回では、現在のクラブ経営・チーム運営について、また今後の目標をお聞きしました。(インタビュー日:2011年10月)
-クラブの今後の具体的な目標、ビジョンをお聞きしたいと思います。まず、チーム強化について、アマチュアクラブとは言え、お金はかかると思います。現在プロ契約している選手は?
宮坂 プロ契約の選手はいませんね。
-では、監督はプロ契約という形でしょうか?
宮坂 そうです。
-スペリオ城北の場合、チームを維持する為の資金は年間どれくらいの額が必要なんでしょうか。
宮坂 事業もやっているので、それだけ人件費も発生していますが、約2400万円くらい掛かっていますね。
-それはサッカーチームを維持する為だけにですか?
宮坂 いえ、運営会社を維持する為にですね。規模にすれば年間2400万円ですが、実際には会社の粗利(利益)は全部トップチームが使うようになっています。事業としてサッカースクールや店舗営業をしているので、そこに必要な雇用も発生しますけれど。
「これからの時代は、スポンサー収入に依存したクラブ経営は難しいだろうと思っています。」
-なるほど。会社として様々な事業収入を得ながら、その利益をサッカーチームに還元すると。
宮坂 これからのサッカークラブの経営を考えた場合、スポンサーマネーへの依存は危険な要素だろうなと思っています。今までのように企業スポンサーを獲得するのはなかなか難しいだろうと。そうなると、ある程度は地域資源、プラスそこに集まる若者(選手達)をどうプロデュースしていくか、だと思っています。その一つがクラブ事務所の1階(整体院)にある事業でして、そういったものを運営会社としてやっていった方がいいなと。
-プラス、サッカーチームのスポンサーマネーも獲得していると。
宮坂 株式会社スポーツアンドコミュニティ(スペリオ運営会社)のセカンドカンパニーじゃないですけど、『まちづくり北』という会社がメインスポンサーになっていまして、株主の方のご了解を頂いて、会社の利益から結構な金額を戴いています。ただ、これらを収入を加えても、チームを維持する為のお金は足りないですけどね。
-ここ(※本ページ写真参照)に出ている企業は全てスポンサーで、運営会社の出資者では無いのですね。
宮坂 そうですね、毎年度ごとにスポンサー協賛して頂いています。
-赤字を補填する親会社があるわけでもなく、運営会社単独で黒字化させているわけですね。
宮坂 まずは前年度に「来年のスポンサー協賛金は幾ら幾らで」と決めさせて頂いて、あとは「今年の運営費はだいたいコレぐらい」と決まった額の中でやりくりするわけです。