#6 スペリオ城北 宮坂一朗GMインタビュー Vol.3

－監督にある程度の権限を与えて、チームの方向性や強化の方針はお任せしていると。宮坂さんが考えなければいけない事、これからやろうと思っている事は、クラブ全体をどうステップアップさせていくかでしょうか？

宮坂　そうですね。まずは必要なコーチングスタッフをもっと増やしたいですよね。「ボランティアでいいですよ」という人ばかりではないですが、実際に満額ウチで雇うとなるとそれは大変な事になってしまう。どこかでシェアしていきながらという形で、でも最終的にはクラブに関わった以上は、健康保険も取れるにしてあげなきゃならない。やはり私がやらなければいけないのは、先ほども言ったように危険はあるかもしれないけど『収益事業の拡大』というか、チームの資金力になるものをやっていくのが当面の課題だと思います。

「私がやらなければいけないのは、この会社をキチンとした人格ある組織にしていく事。」
「JFLに昇格するまでの間、クラブの人材育成を図り、相応しい人達にバトンを渡す事。」

－大きな金額のスポンサーマネーを期待するような営業は、これからの時代は無理だと。

宮坂　難しいでしょうね。

－だからこそ多角的な事業展開だと。事業を大きくしていく事と、上のカテゴリを目指すスピード感を併せ持つ事が最も難しい点かと思いますが。

宮坂　元々の計画ですと、とっくに関東リーグに行っていなきゃいけないんですけどね（笑）　とりあえず今、吉見監督と話している中では、監督が将来的には育成に興味を持っているので、トップチームの監督を降りた時にはGMになって貰おうと思っているんですよ。チーム強化の方は、お任せしようと。自分の目に狂いがなければ、吉見監督はこのチームをすごく愛していますから。

－まさに二人三脚ですね。

宮坂　私が今から努力しても足りないものと言うか、サッカー界の人脈だとか、そういうものに対して私は大した事は出来ないですから。それは吉見監督が現場を降りたとしてもフロントでGMをやってもらい、私はこの株式会社をキチンと人格ある組織にしていくと。もちろん協賛活動、スポンサー集めはしますけど、本当に私がやらなければいけないのは、そういった事ですね。JFLに加盟した時は5000万円の加盟金が必要だとか、それをその時にやったって遅いですから。

－当然、3～5年間の事業計画も考えていらっしゃる。

宮坂　一応は作ってありますよ。

－Jリーグまではどんな段階を経ていきたいと考えているのでしょうか？今は都リーグ2部（J1から数えて7部リーグ）ですが、都リーグ1部（6部リーグ）に上がって、関東リーグ（5部&4部リーグ）に上がって、と。

宮坂　実はですね、私はクラブ経営はJリーグまではやらないと考えているんですよ。

－では、JFL（3部リーグ）くらいまでですか？

宮坂　そうですね、JFLまでは自分がやって、その期間にクラブの人材育成というか、そういう人達にバトン渡すべきだなと。私は既得権とか、そういう椅子に座ろうとは思ってないですし、それをやったら地域を裏切る事になるだろうと思っているので。私の目標は、JFLまでは自分が携わる。クラブの長期的なビジョンとしては、あくまで『J1を目指す』という事ですが、それまでに相応しい人間を登用するという事だと思っています。