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#1 スペリオ城北 宮坂一朗GMインタビュー Vol.1

スペリオ城北 宮坂一朗ゼネラルマネージャー ロングインタビュー Vol.1

現在、東京都社会人サッカーリーグ2部に所属するスペリオ城北。
2011年はリーグ戦12試合8勝2分2敗の4位。「来季こそ1部リーグ昇格」と目標を掲げる。

北区を中心とした城北エリアがホームタウン。J1から数えて7部というリーグにいるクラブチームだが、既にJリーグ百年構想に沿った取り組みをしている点は注目に値する。23区内のクラブとして、敢えて東京都全域をターゲットとせずに、クラブと地域の繋がりを密にした、多岐にわたる活動を行っている。
東京偉蹴FOOTBALL編集部では、クラブ代表者でもある宮坂一朗ゼネラルマネージャーに
“クラブの現在~過去~未来”についてインタビューさせて頂いた。(インタビュー日:2011年10月)

-本日は宜しくお願いします。まず、クラブ設立の経緯から教えて頂けますか?

宮坂 スペリオ城北の前身である城北ランシールズ(※1)が設立されたのは7年前(2005年)なんですが、
当時、私の息子が通っていた地元の高校サッカー部の総監督さんから相談されたのがキッカケなんです。

色々なご縁で、私自身がPTA会長と後援会会長をしていた事もあり、サッカー部や野球部やバレーボール部などの大会の応援によく行っていました。そんな中、サッカー部の総監督の方と懇親を深めていくうちに、「この子達が高校卒業後も地元でサッカーを続けていく為の、受け皿になるようなチームを作りたい」という構想が持ち上がりました。北区や板橋区には、成立高校や帝京高校といった、東京でもポテンシャルの高いチームがありますしね。卒業後の進路として大学や企業の既存チームもいいけれど、選択肢として地元のクラブチームがあれば優秀な選手も集まるのでは、と。

-高校サッカーの方から相談を受け、宮坂さんがチーム設立に協力したわけですね?

宮坂 自分も「その構想は面白いな」と思いましてね。ただ、自分自身は野球や長距離走しかやっていなかったですし、サッカーチームに関わった事も無かったので、いったい何からやればいいのだろう?と思いました。(総監督が)ずっと地元の中学・高校のサッカー部を見ている方でしたし、私自身の地元でもありましたし、そういった意味では『街づくり』というキーワードで地域を色々な形で活性化させていきたいと思っていたので、サッカーは面白いなと感じたんです。それと、私は青年会議所(JC)の出身でして1995年の北区JC委員長の時に、東京の都市型スポーツとしてフットサルに注目し、フットサルコミュニティ95を立ち上げたんです。まだフットサルが浸透する前の時代でしたが、統廃合した小学校の跡地やJR鉄道の高架下を利用したり、色々と行政に提案してきました。JCを辞めた後も(委員長は毎年交代しながらも)5年間継続した事で、実際に小学校の跡地にフットサルコートが出来たりしていました。

-その活動が終わったのは2000年頃ですね?

宮坂 ええ、暫く時間は経っていましたが、高校のPTAや後援会をやる事になって(スポーツと街づくりの考えが)再燃し、フットサルがサッカーに代わり、興味が沸いてきた。私自身、企業経営をしてはいますが、「ゼネラルマネージャーをやってください」と言われて、GMは何をやらなければいけないのか?と思った時に、チームを作って、監督を呼んできて、単年度か複数年度を監督にお預けする、現場の責任者ですよね。
自分の役割としては、(フットサルコミュニティ95の経緯もあり)JC時代の仲間達に資金的なバックアップ(寄附)をお願いしたり、自分の会社の工場の跡地を事務所に提供したり、選手が移動する際のバスを買ったりと、まずは形から入る事をしました。

-まずは形から入る、というのはユニークですね

宮坂 そういう意味では私は無知だったんですね。最初は任意団体として始めたんですが、それなりのお金が動くという事で、人格無き団体(=任意団体)はよくないだろうと。NPO法人の形か、“利潤を追求しない”株式会社があってもいいかなと思い、そういった定款内容にした株式会社城北スポーツ&コミュニティ(現在のスペリオ城北の運営母体)を作ったんです。

-法人として運営スタートして何年経っているんですか?

宮坂 城北ランシールズ3年目の時ですから、今年で5年目になります。法人にした理由としては、この地域にデビューするわけですから、やはりお金の事は明確にしなければいけない。毎年、会計事務所に監査してもらって、誰かに言われたら「こうなってますよ」と言えるようにしています。それから、上のカテゴリー(JFLやJリーグ)を目指すという意味でも、選手のプロ契約や、プロまでいかなくとも選手の就職斡旋、事業を作っていって(サッカーでの契約ではないけれど)選手を雇用していく、といった展開をしていく意味でも、法人設立を決めました。

※1 チーム名変更:城北ランシールズ(2005~2008)→ スペリオ城北(2009~現在)

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