#6 スペリオ城北 宮坂一朗GMインタビュー Vol.3
-それを今、現実の社会の中で、この地域でやろうとしています。
宮坂 ノウハウを教えてくれる人がいたら教えてもらいたいし、すぐにでもその人のところに飛んでいきたいんですけどね(笑)
-誰もやっていない事をやろうとしていると感じますが。
宮坂 孤独と不安はありますよ。他の事(会社経営)はやってきているんですけどね。24、5歳くらいのサッカー選手達、彼らを相手にしながら舵を取って、毎年船を出港させる訳ですよね。この船が私の行きたい方向と、いや選手はそっち行きたくないですよ、というベクトル合わせが必要ですよね。
-まさにクラブとしての方向性、ビジョンですね。
宮坂 ウチの場合、選手達は会費制でやっているんで、選手達がお金を払っていますが「だからサービスを受けて当然でしょ」と言う選手はいないです。吉見監督とは「今年のウチのコンセプト、何にしましょうか」という話をしている中で、とにかく選手達がボールを蹴る事に飢えているのなら、その飢えていることに応えるチームにしていこうと。それが平日練習の機会ですね。他チームは練習していないから、とにかくウチは練習ができる環境を作ってあげようと。
-平日も定期的に練習できる、というのは選手達には魅力に感じるでしょうね。そういった具体的な方針を毎年決めていくわけですね。
宮坂 本当はGMが全てをやるのでしょうが、吉見監督と私のパートナーシップということに関しては「実は監督に決めて欲しいんだ」と伝えているんですね。私が「A案、B案、C案の中で俺、迷っているんだけど」って言ったら、彼が「じゃあ、これで行きましょう」という形ですね。最初のうち何回か一緒に酒を飲んで、吉見監督の人柄も分かってきたからこそ、信頼して話せますね。
ウチの場合、会費×人数なんて計算すれば選手達も分かっているわけです。自分達が幾ら幾ら納めているからと言って、練習が出来て当たり前とは思っていないでしょう。赤羽スポーツの森のナイター設備を1回使うと照明代が1時間あたり4000円ですから、それだけで1万2000円。全て含めれば2万円位はかかるんですよ。
-週に2回~3回も練習していますしね。
宮坂 多い時だとグラウンド使用料が20万円くらい。
-月額ですか?
宮坂 ええ、本当に。
-それは選手も計算すれば、自分達の会費だけじゃ足りないなと分かりますね(笑)
宮坂 だから選手達は感謝していると思いますよ。
-この環境は他の(都リーグの)クラブチームじゃ無いな、と感じるでしょうね。
宮坂 赤スポを使わない月曜日とか土曜日の練習は、地元アクアスロンチームの拠点になっている中学校でやっているんです。そこは夜間照明がなかったら、自分達で照明を総合型クラブに寄付をして、暗いけどボールを蹴れる環境にして。だから「ここでお金をかけて、ここは節約しよう」と工夫しながらですね。体育館を使ったりもしますけど、練習の回数には満足しているんじゃないですかね。吉見監督も毎回出てきていますしね。