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#2 スペリオ城北 宮坂一朗GMインタビュー Vol.2

スペリオ城北 宮坂一朗ゼネラルマネージャー ロングインタビュー Vol.2

北区を中心とした城北エリアをホームタウンとするスペリオ城北は、J1から数えて7部に位置する東京都社会人サッカーリーグ2部に所属している。注目すべきは、23区内のクラブとして敢えて東京都全域をターゲットとせずに、クラブと地域の繋がりを密にした、多岐にわたる活動を行っている点だ。
前回のVol.1に続き、宮坂一朗GMのインタビューをお届け致します(インタビュー日:2011年10月)

-都リーグの話をお聞きしたいんですが、難しい所も良い所もあると思います。クラブ発足時は都4部リーグからのスタートですが、都リーグを戦っていく上で難しい部分、大変な部分はどういう所でしょうか?

宮坂 公式戦で引き分けたり負けたりする時は、グラウンドコンディションが悪い(土や芝生が剥げている)会場が多いんですね。つまり普段は(赤スポのように)環境が良い所でやっているから。ホーム&アウェイじゃないけれども、そういう意味ではうちが贅沢なんですが。コンディションが悪いグラウンドに慣れているチームは、ボールが落ち着かない時でも強いですから。どんな試合会場でも勝たなきゃいけないですけど、うちの選手はまだグラウンドコンディションに左右されるレベルなんです。

運営面で言うと、4部・3部リーグ当時は、試合があるのに前審・後審(※1)をつけなきゃいけなかったのは大変でした。今は審判団にレフェリーフィーを払って解決していますけど。それぞれが独立した運営スタイルだと思うのですが、「早く1部リーグにおいでよ、全然環境が違うから」とよく言われるんで、都1部リーグを早く体感してみたいと思っています。

-4部リーグの時はどこで試合をやっていたんですか。まだ赤羽スポーツの森公園が無かった頃は?

宮坂 クレー(土のグラウンド)ですけど北運動場というグラウンドがあって、観客スタンドもついています。最近はほとんど使わなくなりました。練習では北運動場も使っていますが。

-例えば環境面で言うと、赤羽スポーツの森公園のような整備された施設は2部リーグでは特別ですよね。ほとんどが土のグラウンドや河川敷、高校の校庭です。人工芝でプレーできるのは良いほうで、夜間の時は照明も暗い。それが今の東京都社会人サッカーリーグの現実だと思います。どのチームも厳しい環境の中、同じ条件で戦い、優勝したチームが昇格していくわけで、それでも勝たなければならないですよね。

宮坂 中学~高校は土が当たり前なんですけど、大学サッカーをやってきている子は、ほとんどの学校が人工芝だから、「次の試合、アウェイですか?あそこですか?」なんて言ってきます。バカヤロー!って後ろから引っ叩いてやりたいなとも思うんですけど、そういう意味では選手のメンタルの問題でしょうね。相手チームだって同じだろうと。

-どんなグラウンド状況だろうと同じようにできないと。

宮坂 観ている方も、ピッチが青々とした中で選手達が動いていれば画的にも良いですよね。だけどコンディションの悪い試合会場に行くと、逆に普段の環境が良すぎるから、メンタルの弱さなど、そういうのが如実に分かる。

-先程『ポスターになかなか試合情報が入れられない』というお話がありました。公式戦情報・グラウンド確保の問題は、相手チームの事情にもよると思います。都リーグ2部はひとつのグラウンドで基本的には1日2試合やると聞いたのですが、十数チームで協力し合って、それぞれグラウンドを確保するわけですよね。スペリオの場合は赤スポを優先的に確保できていますが、他のチームの場合はそれも大変と聞きます。

宮坂 皆さん大変な思いをしていますよ。

-そういった事情もあってなかなかスケジュールが決まらない。リーグ戦に備えて練習をいつするかなど、チームを強化していく上では全て絡んできます。都リーグの難しさは、2部から1部昇格を狙うにも練習・試合などの先の予定がなかなか組めない。端から見ていると、そこが一番大変なのかなと思いますが?

宮坂 大変ですよね。選手達は社会人ですから業種によっては日曜日に仕事が被ってくるわけです。試合が有るのか無いのか選手達も事前に分かっていれば、同僚に出勤日を代わってもらって、他の日に自分が埋め合わせる事ができるんだけど。それがグラウンド確保の問題で、こちらも「まだわからないんだ」としか言いようがない。そうすると、結局大事な試合に仕事の都合で来られない中心選手がいたりする。監督も毎回試合当日にならないと誰が来るのかわからない。

ウチは試合の6日前位には誰が来るか出欠が取れるんですけど、それだって今度は体調の問題もあるし、怪我で出すべきか出さないべきか、というのも当然ある話です。とにかく“スケジュールが早く分かれば”というのは言ってもしょうがない課題なのかもしれないですが、それが一番大きいですね。ましてウチは「上(昇格)を目指す」と言っているわけだから。

※1 当該試合の前試合と後試合にチームから審判陣を出す必要がある

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