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#34 早稲田ユナイテッド 今矢直城 監督 インタビュー Vol.2

-ドイツで現役生活を終えられて、すぐ日本に帰国したのですか?

今矢 2008年の途中まで一応ドイツのチームに所属はしていて、1月に契約を切ってクロアチアのチームなどいくつかテストを受けたんです。日本でもジェフ(ユナイテッド市原・千葉)の練習に参加していて、契約が決まらず2008年の6月くらいに選手は辞めようかなと。その後、サッカーと英語のイベントを開催しようと思って、どこまで需要があるのかと考えながらやってみました。それはほとんど赤字だったので、飲食店でアルバイトもしていましたね。ホールスタッフとして働きながら何とか生計を立てていました。

「帰国してから1年3ヶ月、TOCを軌道に載せるまでは大変でした」

それでも、イベントをやったりスクールを始めるにあたって場所を押さえるとなるとお金が掛かったので、どうしても自分の貯金から切り崩していました。結局2008年から2009年の6月くらいまでは月15万円くらいで生活していて、貯金は200万円くらいなくなっていました。このままでは日本にいても意味がないぞと。自分の兄の会社を手伝ったりもしたんですけど、それもバイト代くらい、家賃を払えるくらいしかもらえない。それでも生活をしないといけない。後は宣伝のためのチラシを作るとか、ホームページを作るために人に頼むとか、色々やりながら2009年の10月にやっとTOCを始める事が出来て、何とかそこから軌道に乗せていったと。やりたい事は決まっていたので迷いはなかったんですけど、1年3ヶ月くらいはなかなか上手くいかなかった。

-最初からサッカーと英語をセットで教える活動をやりたかったと。

今矢 そうですね。TOCを作って、理想はジュニアもやりながらジュニアユース、ユースと上の年代も教えたいなと。定期的ではないにしても年に何回かは、サッカーと英語の教育をして、将来的にはそういう選手のマネジメントも出来れば良いかなと思っていました。代理人はもちろんライセンスも必要なんですけど、僕の中の理想的な代理人って、プレーのアドバイスもしっかり出来る事。交渉はもちろん大事ですけど、それは1年の中で1回じゃないですか。それ以外は自分が選手時代に経験した事を伝えたい。「俺が現役の時も大変な事はあったけど、こういう事をすればメンタル的に楽になったよ」とか、「こういう場面ではもう少しこういうパスのもらい方をした方が良いんじゃないか」という風に。そういう事を言える代理人は僕の中で理想なんですよね。自分も選手だったので、代理人がそういう人だったらありがたいなと。

相談役じゃないですけど、選手の方からプレーについて聞かれた時に、何かアイディアを投げ返してあげられるような。それが自分の教え子だったら尚更そうしたいじゃないですか。TOCでも、終わった後に絶対子ども達から僕に質問をさせているんです。それに僕が毎回アドバイスをしているんですけど、そういう関係がプロになっても出来たら良いなと。それがビジネスになるかわからないですけど、単純に自分のやってきた事が誰かのためになれば良いなと思います。

-今矢さんが関わった代理人とは、そのような関係にはならなかったですか?

今矢 純粋にビジネスですね。交渉があるので間に入ってくださいと(笑) それでも僕は凄く感謝しています。ただ、こういう事がもっと出来る人であれば、より良かったなという事を考えた時に、それは僕にも出来ない事ではないなと思っています。

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