#33 早稲田ユナイテッド 今矢直城 監督 インタビュー Vol.1
-Jリーグの3部という肩書きを得ても、実際に所属するクラブの経営面は劇的には変わらないと思います。
今矢 プロサッカー選手という、子どもに夢を見させたいという気持ちもあるので、J2で食べていけない選手がいる中で、J3を作るのはどうなのかなというのもあります。それならJ2で食べていけないチームを下げてJ3にすれば良いですし、それで地域の中でこのチームは大丈夫だよという所はJ3に上げると。
「国内だけに留まらず、海外移籍を視野に入れた、しっかりとしたリーグが作れたら面白いですよね」
しっかりとしたプロのチームをJ3に入れる。J1トップ10のリーグはテレビも入りスポンサーもつく、観客も入る、海外からも注目される。選手の契約にしても移籍がしっかりしている。海外移籍を視野に入れて日本だけにとどまらない、しっかりとしたリーグを作れたら面白い。それを目指すJ2があって、その準備期間のJ3がある。その下には地域リーグがたくさんあって、地域は盛り上がっていて、その中で昇格出来るチームが出て来た時に始めてJ3に昇格すると。
-先の話にはなりますが、早稲田ユナイテッドもJリーグを目指すクラブの一つです。お客さんにももっと来てもらえるようにならないといけないですし、例えばホームタウンは東伏見近辺となるのでしょうか?
今矢 現段階ではまだどことは決めていないと思うんですけど、まずTOCのようなスクールを増やしていく事が大事かなと思います。そのスクール生達が観に来てくれて、トップチームの選手がスクールを教えて、その選手を応援しようという流れがきちんと出来れば、観客動員数にも繋がると思いますし、スクールを行うという事は売り上げにも貢献出来るわけですから。今はまだ少ないですけど、それを何十個、何百個とワセダクラブ(※)もTOCも作っていければ、自然とサポーターは増えていくかもしれないですし、後はやはり引き続き早稲田ユナイテッドが面白いサッカーを披露する事。それを観に行きたいという人が一人でも多く増えてくれれば、上に行くごとに繋がっていくのかなと思いますね。
(Vol.2に続く)
<プロフィール概略>
今矢直城・・・1980年6月18日、兵庫県出身。10歳で家族と共にオーストラリア・シドニーへ移住。現地でプロデビューすると、2003年にはスイス1部のヌシャテルザマックスに移籍し、UEFAカップ出場も果たしている。その後オーストラリアやドイツでもプレーし、2008年6月に現役生活にピリオドを打つ。2010年にはサッカーと英語を子ども達に教えるスクール、TOCをスタートさせ、同年に早稲田ユナイテッドの監督に就任した。
※ 特定非営利活動法人 WASEDA CLUB・・・すべての市民を対象とした各種スポーツの普及・振興事業を行っていく中で、青少年の健全育成、市民の健康増進及び地域コミュニティの活性化を図り、広く公益に貢献することを目的とする団体