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#33 早稲田ユナイテッド 今矢直城 監督 インタビュー Vol.1

-長く在籍している選手と今矢さんの間で信頼関係が築かれているのですね。

今矢 彼らも毎試合出られたわけではないですし、ベンチから見る機会も多かった。それでも外から見るなりの貢献度に関して、自分達で考えてやってくれたと思いますし、チームとして凄く助かりますね。ベテラン勢がいたおかげですし、彼らの貢献度は相当大きいです。

-早稲田ユナイテッドで指導者としてのキャリアが始まりました。2010年の就任からここまで、監督・今矢直城の成長をご自身どのように感じていますか?

今矢 監督という仕事に僕自身、凄く興味がありました。でも日本に戻ってきて2年くらいで、誰も知らない中でポジションは空いていないんだろうなと思っていました。TOC(海外挑戦を視野に入れた選手育成クラス)を始めるきっかけの中で、当時の早稲田ユナイテッドの主力メンバーが「今矢さんにやってもらったらどうか」と言ってくれて、こんなにありがたい話はないなと。求められて、監督をやってくださいなんていう話は滅多にないと思いますし、ありがたく受けました。

「監督として、試合を冷静に見られるようになった。僕自身も成長できた4年間でしたね」

1年目、東京都2部の優勝も難しかったですけど、2年目、3年目とレベルが上がる事によって、なかなか上手くいかない部分はありました。だいぶ一人で苦しんだ所もありますけど、それはつまり成長だと思います。間違いなくこの4年間で、監督としてより冷静に試合を見られるようになりました。

試合の状況を見る判断力もそうです。僕は外国にいたので、最初はどうしても審判に怒ったりしてしまうんですよね。海外だとそれが、結果的に審判を味方に出来る場合があるんですよ。でも、監督1年目でそれは違うなと学びました。日本は違うんだなと。2年目の最初も審判に結構アピールしていたんですけど逆効果で、うちのチームがたくさんイエローカードをもらってしまったり。練習中もあまりファウルを取らないから凄く激しいんですよね。ファウル自体は悪くないというか、厳しさを求めるのは日本サッカーが本当に強くなるためには変える必要はないと思うんです。ただ、審判に言う事だったり、ここはぐっと抑えようという所とか、審判を味方につけようというやり方は2年目、3年目から変わってきました。去年くらいからはそこを冷静に見られるようになったのかなと。試合運びは経験しないとわからないですけど、3年目、4年目辺りからハーフタイムの指示や試合中の修正も、的確になってきたのかなと思います。

-早稲田ユナイテッドの監督として毎年結果を出してきましたが、都リーグのレベルはどう見ていますか?

今矢 やはり1部は簡単な試合がないですよね。これは負けないだろうなという試合が2部ではあったんですけど、1部はうちより動けないチームはあるかもしれないですけど、主力の何人かは厄介な選手がどのチームにもいるので。青梅(FC)さんが降格してしまうくらいですから。あのチームも岩田(朗)選手をはじめ、一人で行ける選手が何人もいるじゃないですか。そういうチームが下位にいるという事は、落とす試合というのは必ずあるんですよ。なので東京都1部はなかなか勝ちづらいですね。

-FC青梅が2部に降格した事で、早稲田ユナイテッドとしても危機感があるのかなと思いますが?

今矢 そうですね。去年はうちと青梅さんと三菱商事さん(三菱商事サッカー同好会)が関東大会に出場しましたが、今シーズン途中でリーグ戦の上位にいるのはウチだけでした。青梅さんは降格するかもしれないという位置にいましたし。他のチームが対策してきたかは分からないですけど、関東大会に出た3チームを意識はしていたと思うんですよね。その中でうちも仕留められた事もありましたし、僕もチームも成長しないといけなかった。システムをいじったり戦術を変えたり色々試しながら、相手の裏をかかなければいけない。明日は我が身じゃないですけど、1年間ずっと厳しい戦いでしたよ。

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