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第22回 なぜFC東京なのか(後編)

なぜFC東京なのか(前編)はコチラです

【FC東京ソシオ歴3年 大沼さん(35歳・男性)の場合】※ソシオ=シーズンチケット保有者

前回のコラムで、何らかの理由により東京ヴェルディから離れた人、ほかと見比べて東京Vを選ばなかった人を募ったところ、「FC東京、東京V、横河武蔵野FC、FC町田ゼルビアなど幅広く観戦し、都内をさまよった結果、FC東京を選択しました。正直、なぜソシオになったのか自分でもよくわかっていません。もしご参考になれば」とメールを送ってくれたのが大沼さんだった。よくわからない、というのが面白い。何度かメールをやり取りした結果、5月11日、京王線の武蔵野台駅(飛田給の隣)で待ち合わせることになった。

「もともとJリーグが好きではなく、海外サッカーをよく見ていました。ところが、20代後半あたりですかね。週末、スカパーでたまにJリーグの試合を見ると、結構面白いと感じるようになって。年齢的に、夜中のサッカー観戦がだんだんつらくなってきたのもあります。仕事があるし、結婚もしたし」

そんな大沼さんが味の素スタジアムの近くに引っ越すことになったのが4年前。クロスバイクを駆り、あちこちの試合を見て回るようになった。最終的に選んだのが、なぜFC東京だったのか。それが問題だ。

「あらためて振り返ってみたんですが、これといった決め手は思い当たらないんですよねえ。どうしてだろう」

大沼さん、腕組みをして考えている。いいよいいよ、一緒に考えましょう。きっと何かあるはずだから。ほら、注文したパスタが来たよ。

「2010年、東京のソシオになるまで、ヴェルディの試合も同じくらい行ってました。年に3、4回くらい。J2、好きなんですよね。あとは町田や横河の試合もちょくちょく行って。町田はシーチケが思ったより高くて候補から外しました。スタジアムも通いづらかったし。横河は年4000円と安いので、買っといて損はないかなといまも続けています。東京のソシオは、一番安い席種の2万4000円です」

2万4000円は安いね。東京Vは3万円だ。一度にドンと払う場合の6000円の差は大きいと感じる。今季、最低保証されるホームの試合数はJ1がリーグ17試合+ナビスコ3試合で20試合、J2はリーグ21試合と大差ない。

「東京がJ1だというのはあまり関係なかったです。一瞬、ヴェルディのシーチケも買おうかと考えたんですが、5万を超えるのはさすがにちょっと……」

と、大沼さんはパスタをくるくる巻いている。話している感じからすると、どうやら東京Vや緑に対する嫌悪感はないようである。着ているシャツも緑色が入っている。

「そうですね(笑)。実は、自転車のカラーも緑なんですよ」

それで、口に運ぶパスタはバジルソースをあしらったジェノベーゼ(緑色)ときたもんだ。
大沼さんよ、そんなことでFC東京の立派なソシオ会員になれると思ってんのかい!?
ところで、サッカー観戦のときはひとりで? それとも奥さんと一緒に?

「一緒に行くこともありますが、ひとりが多いです。今年は出産があって、僕自身もなかなか味スタに行けませんでした。先日、無事に女の子が生まれて、ほっとしています」

おめでとう。ちなみに娘さんのお名前は?

「ひらがなで『わかば』です。最初は『みどり』という案が奥さんから出たんですが、それはやめとこうかと詳しい理由は話さずに」

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