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#90 10/17 全社 決勝 福島ユナイテッド vs FC KOREA

新たな挑戦の始まり

1回戦(10/13)の後、朴はこんなことを話してくれた。

「在日の代表として、勝つことで良いニュースを届けられる。子供達の目標になれるチームでありたい」

全国制覇という結果は、もちろん素晴らしい快挙だ。だがそれ以上に、クラブの未来を明るく照らす大きな勝利だったのではないだろうか。

今大会、KOREAのチーム状態は非常に良かった。関東リーグ1部で残留争いを経験したが、絶対に勝たなければならない戦いを潜り抜けてきたことで、選手達は自信を得ていた。「本当はもっと前にそういう状態に持っていかなければならなかった」と黄は苦笑する。優勝争いではなく残留争いに巻き込まれたことを反省したが、ギリギリのせめぎ合いの中で得たものは、全社を戦う上で間違いなくチームの力となった。

KOREAは大きな勝利を手にしたが、約1ヶ月後には全国地域サッカーリーグ決勝大会が控えている。今回の全社は、東京開催ということでKOREAにとっては地元での試合だった。だが、地域決勝は福島県、高知県、大分県、長崎県など地方への遠征となる。(KOREAの1次ラウンドはグループBの高知ラウンド)

全社とは違うストレス、疲労の蓄積具合も変わってくるだろう。またライバルの力も、もちろん侮ることなどできない。特に今回の福島ユナイテッドからの勝利は、相手に退場者が出た中での勝利だった。

「11対11だったらやられていたと思う」と朴が言うように、同じ人数のまま推移していたら試合の行方はわからなかった。また、福島・時崎監督も「今度は勝てる」と自信を見せている。これからの1ヶ月、KOREAはどれだけ上積みが出来るか。あらゆる点で対策を講じなければならない。

1970年代の日本サッカー界において“国内最強クラブ”と謳われた「在日朝鮮蹴球団」の時代を知る人は少なくなった。時代は変わり、Jリーグが誕生し、日本サッカー界も変貌を遂げた。そんな中、在日という民族の血を受け継ぎながら、再び日本サッカー界の表舞台に戻ろうと、努力し続けた末に勝ち取った全国大会の初優勝。

今回の全社優勝は“新生KOREA”に新たな挑戦の始まりを告げた。地域決勝を勝ち抜けば、JFL昇格という更なる快挙を達成する。在日サッカー界を背負うFC KOREAの、歴史を刻む冒険はまだ終わらない。

<試合後の監督・選手コメントは4ページ以降に続く>

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