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#90 10/17 全社 決勝 福島ユナイテッド vs FC KOREA


試合を分けた2つのポイント

後半、得点こそ動かなかったが試合展開は大きな動きを見せる。

朴を左サイドハーフから1.5列目に配す。前線でタメを作るべく、朴が本職でのプレーを任された。これが一つ目の大きな動きだった。朴が少し下がった位置から繋ぎに関与することで、簡単にボールを奪われる場面が減り、丁寧に攻撃を組み立てていく。

それでも福島ユナイテッドのペースで試合は進んでいたが、二つ目の大きな動きが後半18分に起きる。ハイボールの競り合いでホイッスルが鳴ると、福島ユナイテッド・MF清水純にイエローカードが提示される。これが2度目の警告となりキャプテンがピッチから退く事となった。「精神的にダメージを負った」と、福島・時崎悠監督は悔やんだ。中盤の底で力強いプレーを見せていただけに、福島ユナイテッドにとっては痛すぎる退場だった。

そして、ここから試合の流れは一変。KOREAがここぞとばかりに攻め立てると、最大のチャンスは29分。カウンターから朴が仕掛けると、シュートのこぼれ球を姜が狙うも相手GKの攻守に阻まれノーゴール。結局KOREAも相手のブロックを崩しきれず、スコアレスのまま後半が終了。試合は、延長戦に突入した。

新たな歴史を作った“新生”FC KOREA

5連戦の最終日、どちらも疲労はピークに達していた。在日コリアンのチームとして歴史を刻みたいKOREAは、最後に残った“勝ちたい”という気持ちを絞り出すように戦い、歓喜の瞬間を手繰り寄せた。

冒頭で記した朴のゴールは、彼が左サイドハーフのままだったら、あの場面にポジションを取ることはなかっただろう。後半頭からのポジションチェンジは、結果的に得点をも引き寄せた。

『FC KOREA』というクラブの存在を今後の日本サッカー界に知らしめる事となる重要なゴールは、そのまま決勝点となった。在日コリアンのチームとして初めて全国大会を制した。「何より在日サッカー界にとってインパクトがある」とは、黄の言葉だ。まさに、エポックメイキングな出来事としてこれからも記憶されていくだろう。

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