TOP>>インタビュー>>korea-interview>> #30 FC KOREA 黄永宗 監督 ロングインタビュー

#30 FC KOREA 黄永宗 監督 ロングインタビュー

-現在のFC KOREAを率いてみて、JFL昇格後もある程度やれる自信はありますか? そして地域決勝という特殊な大会に対して、勝ち抜く事が難しいと感じていますか?

 JFLに行ったとして、長いリーグ戦なのでJFLの戦い方をすれば、やり方によってはという部分はあります。でも地域決勝は去年も経験しましたけど、リーグ戦のようでトーナメントなんですよ。一戦一戦で出し切る部分と、後は多少の運ですよね。対戦相手の結果にもよりますし、PKの勝ち負けが凄く肝で、去年はそこに泣いた部分があります。地域決勝を勝ち抜くのは、S.C.相模原も3回目の挑戦で昇格ですよね。過去2回チャレンジしたけど上がれなくて、結局関東1部でリーグ優勝してから(JFL昇格)ですよね。やはり地力があっても簡単ではない。今年の全社も、浦安SCが実力的には抜けているのかなと思っていたんですけどベスト8でしたし。栃木ウーヴァくらいですよね、すんなり上がって行ったのは。誰もが通る道だと思うので、1回で勢い良く上がれるほど簡単では無いですね。「去年の経験を今年にどう活かせるか」が大事なんじゃないかと思います。

-ご自身としても、去年の地域決勝は2戦目で退場するなど悔しい大会だったと思います。奇しくもノルブリッツとは今年も同じ組に入りました。

 これは神様が与えてくれた、僕へのリベンジの機会だと思います。いつもチームの事を最優先に考えていますし、考えないといけない立場なんですけど、個人のわがままを言うのであればリベンジしたい。人生初めての一発退場が、地域決勝のあの舞台でした。個人的にやり残した事が凄くあるので、何が何でもやってやろうという気持ちがあります。あそこで退場になって、3戦目は監督としてベンチに入る事も出来なかった。地域決勝は苦い思い出しかないので、何としてもあの悔しさを晴らしたい。その一心で今年1年間頑張ってきて、やっとスタートラインに立てた。いち選手として、絶対にやってやろうと。

「FC KOREAは在日同胞の為にあるチーム。僕らは背負えば背負うほど走れるんです」

-どれだけいつもの力を発揮出来るかが大事だと思います。チームのメンタルの持って行き方は重要ですよね。

 常に選手達に言っているのは、FC KOREAは在日同胞の為にあるチームだという事です。応援してくれる人達、見に来てくれる人達に夢や希望を与えるのがこのチームの使命で、在日同胞のために頑張るんだと。やはり僕らは日本にいるけど特殊なタイプで、そういう少数な中でも、日本全国どこにいても在日同胞の人達が応援してくれる。それを背負って戦わないといけない。例え話で言うんです。人って重いものを背負うと体が重くなるじゃないですか。でも僕らは背負えば背負うほど、もっと走れるんだと。それだけ背負っているものが違いますし、それを肝に命じて戦わないといけない。そういう気持ちで選手達もやってくれていますし、後は結果を出すだけかなと。

-行く先々で在日コリアンの方々が応援してくれると思います。

 この前、福島に行った時も、現地の同胞の方々が歓迎してくれて、ご飯を食べさせてくれました。去年の9月も、リーグ戦の中断期間に長野に行ったんですけど、長野の朝鮮学校を訪ねてサッカー教室を開いたりしました。普段はなかなか応援してくれる人が目に見えないんですけど、そういう場を設けてもらって直に触れ合う事で、「もっともっとやらなきゃいけない」という気持ちが選手一人ひとりに芽生えています。そういう部分では恵まれていますし、感謝しています。それをどこで恩返しするかと言ったらピッチの上だと思うので、期待に応えられるようにやっていきたいです。

◆前後のページ | 1 2 3 4 5 6 | 7 8 9