#25 FC町田ゼルビア 深津康太選手 インタビュー
千葉県出身の深津がサッカーに出会ったのは、幼稚園生の頃だった。園長先生が教えてくれていたそうだ。小学校に上がる頃、野球にも興味を持ったが、仲の良い友達はみんなサッカーを選んでいた。だから、深津も自然とボールを蹴る日々を過ごすようになる。「中学校までは楽しかった」と振り返る。県大会に出場出来れば良い方で、全国大会を狙うようなレベルのチームではなかった。それでも、深津自身は強豪高校に目をつけられる選手になっていた。流通経済大学付属柏高校から、2003年に名古屋グランパスエイトに入団した。プロのレベルについて、入団前はどのように思っていたのか聞いてみた。
J1・名古屋グランパスでの挫折 そしてJFL・FC町田ゼルビアでの再出発
深津 ナメていましたね、正直。“余裕でしょ”なんて思っていたんですけど、実際にやったら速いし強いし何も出来ない。へこみました。その当時は自分なりに精一杯やっていたんですけど、今振り返ると後悔はあります。お金もあったし、違う欲に負けていた部分もあったかな。名古屋という凄いチームでやれていたから、もっとやっておけば良かった。ただそういう気持ちがあるから、今頑張ろうと思えている。それは良い経験だったのかなと。
若い時に経験した後悔が、自らの糧になった。いくつかのクラブを経て行き着いた、少年サッカーの街。深津を変えたのが、ゼルビアでの日々だったという。
深津 変わったのは、ゼルビアに来てからですね。1年目は仕事しながらサッカーをやるという環境で、初めてプロじゃなくなった。プロサッカー選手というものが、やはり良かったんだなと思えた。働きながらサッカーもやるというのはキツイし、そのありがたみを気付かせてくれたのもゼルビアでした。
9月に入り、コンディションも上向いてきた。全体練習にも合流し、フルメニューをこなす日々が戻ってきた。
深津 後は試合でどれだけやれるか試したい。そう言える所までは来ました。ヘディングはまだ100%でやっているわけではないが、80%程度は出来ているかなという感触です。怖さはもう全然ない。それよりヘディングをやらなさ過ぎておでこが痛いので、その痛みに耐えるだけですね(笑)それを乗り越えれば問題ないです。
ヘディングは、深津の最大の武器だ。『これは他の選手には負けない』という強みがある事は、選手として大きなアドバンテージになる。
深津 やはり武器があるのは大きい。僕だったらヘディング。高校1年からセンターバックをやっていますけど、身長はずっと高かったし、空中戦も自信を持ってやってきた。センターバックでヘディングが強かったら何とかやれるし、そこで注目もしてもらえる。
深津はグランパスで、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。「今でも尊敬している」という秋田氏とは、この時既に出会っている。第一印象はお互いに良くはなかったようだ。当時の事を深津は笑って話すが、それが出来るのもヴェルディでの日々があったからだ。2012年、秋田氏がヴェルディのコーチに就任した事で二人は再会を果たす。そしてここから、信頼関係を深めていった。