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#8 日テレ・ベレーザ 野田朱美監督インタビュー Vol.2


「ベレーザにとっても、代表にとっても重要な1年間になる」

-副キャプテンと言われて、岩渕選手はどういうリアクションを?

野田 満更でもなさそうでしたよ。みんなの前で偉そうに挨拶していましたから(笑)

-それは意外ですね。一度は断ったのかと思いました。

野田 意外ですか? 確かに去年は色々な規制や、彼女自身の怪我もあったりで、メディアの皆さんにご迷惑をおかけしたんですけど、「しっかり結果を出せたし、もう良いんじゃないか」と思って。彼女にはそろそろ『自分が日本を背負って立つんだ』という、傲慢ではなく責任感を持って進んで欲しいという想いがありますね。

-岩渕選手にとっても非常に重要な1年ということですよね。

野田 手術を決めたのも、発表したのも、前向きな気持ちからですし、それが日本女子代表の為だと。ベレーザの副キャプテンに任命したのも、表舞台に出していく為です。彼女の発言もすごく良くなっているし、今チームで1番というくらい、コメントもしっかりしてきています。お飾りのエースではなくて、あの子には本当のエースになって欲しかったんですよ。そういう意味では、去年の後半戦はしっかり結果も出したし、これからの期待も込めて任命しました。副キャプテンとして、どこまでやってくれるか、まだ分からないですけどね(笑)

-表舞台に出すことで、また伸びる可能性もありますよね。

野田 そうですね。今までは、本人も『結果が出ていないのにメディアに取り上げられる』事が一番気掛かりというか、引っ掛かるところだったと思うんです。だけど、結果を出して、表舞台に出ていって、オフィシャルのコメントでも随分意識が変わってきたし、しっかり先を見据えていって欲しいなと思っています。

-代表にも協力しながらベレーザでは優勝を目指すというお話や、現役時代に苦労したお話を伺うと、野田監督は困難な状況を楽しめる方という印象を受けるのですが、いかかですか?

野田 素晴らしい読みですね(笑) チームは今、羽生社長を始め、スタッフの皆さんが頑張ってくれているので、クラブの状況もだんだん良くなってきているんです。でも、これが落ち着きだすとつまらないんですよね(笑) おっしゃる通り、私は崖っぷちが凄く好きなんでしょうね。困難になればなるほど、やってみたくなる性格なんですね。今は、去年も含めてチーム作りが楽しくてしょうがないです。イワシが言っていた、「一緒に戦っている感じがする」というのは、そこかなと思います。

-監督自らがハードルを上げ、プレッシャーを楽しむ性格だという事が充分伝わってきました。

野田 日本代表に協力しながら、ベレーザを日本一にするという事は、傲慢ではなく、当たり前だからなんです。『やらなければいけない使命』だと思っています。これは、私が監督になったからではなく、クラブが歴代ずっとやり続けてきた伝統だし歴史なので、逆に『私で途絶えさせるわけにはいかない』というプレッシャーですね。それはもう使命だと思って、両方(クラブと代表の為)をやっていかなければいけないと思っています。

-監督の強い想いが実現する事を、私達も期待しています。

(了)

~Vol.3に続く~

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