#8 日テレ・ベレーザ 野田朱美監督インタビュー Vol.2
-ベレーザ以外、例えば代表監督という選択肢もあったらどうなさいますか?
野田 代表監督はどうかなぁ(笑) 代表にも強化担当(JFA理事時代)として付いていたんですけど、今はまだイチからチームを作っていく楽しみの方が大きいですね。代表はその時の良い選手を集めて世界と戦える魅力がありますよね。でも365日、目を光らせて、それぞれの選手のコンディションや成長をみる事も魅力です。サッカー以外の悩みなどを聞きながら、何が足りないか、どうやっていこうか、という事をコツコツ考える方が今は楽しいですね。
-新しいベレーザを作っていく中で、2012年はどんなシーズンにしたいですか?
野田 今年はベレーザもですけど、女子サッカーにとって凄く大切な年だという認識を強く持っています。オリンピックイヤーであるし、U-20、U-17の世界大会もあるので、ターニングポイントどころではないと思うんですよ。結果如何では天国にも地獄にもなると思うんですよね。
-天国か、地獄か、ですか。
野田 そこはベレーザの監督という枠ではなく、女子サッカーを牽引していく者として真剣に捉えていて、今年は(各世代別代表も含め)全カテゴリーに惜しみなく協力をしたいというのが一番ですね。
「ベレーザが女王に返り咲く事は、目標ではなく使命」
-ベレーザからも各世代の代表選手が沢山選ばれていますしね。
野田 代表の結果を重視すると同時に、今年ベレーザは新戦力(アルビレックス新潟レディースから阪口選手が移籍)も加わった事で、去年からの蓄積を更に上積みさせ『このチームがまた女王に返り咲く』という使命感を持っています。これは目標ではなく使命だと思っています。とは言え、全カテゴリー(各代表チーム)に協力するという事は、ベレーザがスカスカになる年でもあるんですね(笑)
-なでしこジャパン、U-20日本女子代表含めて15名はいますよね?
野田 だから、監督の采配が問われるシーズンにもなると思いますし、このメンツで駄目なら才能が無いなと思って辞めます(笑) それくらいメンバー的にもサッカー的にも、去年の蓄積がプラスされているし、今年はすごく充実していて、シーズン頭からすごく楽しんでやっています。
-監督自身がそこを楽しんでいるなら、選手も不安はないでしょう。
野田 だからベレーザで結果を出したい、と同時に(各世代の)代表に選ばれて欲しいので、代表チームにも惜しみなく協力したいんです。同じメンバーで1年間戦えないという事は、逆に言ったら面白いシーズンでもあるなと思っています。そういう経験もなかなか出来ないから、今のうちから各選手を色々なポジションで試しつつ、1年間のプランをゆっくり練っているところです。