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#1 スペリオ城北 宮坂一朗GMインタビュー Vol.1

「地域の底力があるから我々はサッカーができているんだ」というシンパシーを雰囲気で伝えたい

-通常、JやJFLのクラブの場合、ホームページ更新や広報はクラブの中の人間が発信しています。スペリオの場合は、小幡さんのような外の人が自ら情報をキャッチし、情報発信してくれるのは本当に恵まれた要素でありますね。アマチュアクラブの場合、どこで試合やっているの?いつやってるの?このチームどんなチームなの?といった情報が無ければなければ、地元の人達に伝わりませんよね。

宮坂 クラブの告知ポスターを作っていますが、本当は試合の年間予定が組まれればポスターに刷り込んでおきたいところです。いかんせん都リーグの場合は2週間前にしか試合予定が決まらないので、結局ITを併用しないといけないし、ホームページを活性化させています。試合後のアクセス数が1000くらいだったり、普段でも200~300位あります。実態は分からないですけれど、「こんなにホームページを楽しみにしてくれている人がいるんだな」「YouTubeの映像なども楽しみにしている人がこんなにいるんだな」とビックリしています。皆さん、試合を見に行けなくても試合があることは知っていて、試合後のアクセス数は相当増えているんですよね。

-(2011年の夏頃)赤羽スポーツの森でリーグ戦を見た時に、約60~80人位の人がメインスタンドで観戦していました。おそらく地元・北区赤羽の人が多かったと思いますが、サポーターは立って通路のところで応援していて、地元の方達も楽しそうに観戦していました。それとサッカー好きな地元少年達が「あ、今日スぺリオがサッカーやってるぜ」って試合中にスタンドに入ってきたんですね。その光景を見て、行政・地元商業者・地元住人・サポーターとスペリオ城北の“繋がり”を実感しました。

宮坂 まだまだクラブは課題の方が多いと思っています。まず、毎年監督が変わっていることは避けたい。更に本気で(上のカテゴリーで)やるとしたら、節約してもまだ資金が足りないです。それから地域に重心をかけているが故に、選手のスカウティングに躊躇するところもある。2011年に吉見監督と出会いましたが、来年も監督をお願いするつもりです。11月で契約が切れるので(※3)早めに契約更新をしようと思っています。

-目標(ゴール)はもっと上にあるし、6~7年経ってもまだ課題の方が多いと。

宮坂 想定内の課題ではあるんですが、地域を巡って動くスタッフはもっと欲しいですね。上を目指すという事は、スぺリオが街中を動いている、選手だけでなくスタッフも動いている。そういった部分をやっていかないといけない。「ここでサッカーやりたい」と思う地元生え抜きの選手を増やす為にもね。中学・高校を経て、大学に行ったとしても戻ってくる地元のチームとしての“受け皿”を目指すならですよ、スタッフは出来ればもう二人ほど欲しいなと思っています。私自身も飯を食わないといけないので、スぺリオ城北の仕事だけでなく本業もやらなくてはいけない。想定はしていたけれども、やっぱり外で見ているのと内でやってみるのは別物ですよね。

-どのチームにも課題はあり、壁にぶつかると思いますが、スペリオ城北の場合はインフラ、つまりスタジアム・練習場を持っているとか、経済界の仲間達から支援があり、地元サッカー協会の方達とも今は良い関係を作るなど、アドバンテージは相当あると感じます。しかし、他チームと同様に突き当たる事は、“上を目指す”ということはチーム強化と同時に、観に来る人も増やしていかないといけない。上を目指すと結局お金がもっと掛かる事にもなる。試合以外の時でも選手やチームと直接関わりを持てる機会は作っているのでしょうか?

宮坂 一番良いのは、フロントとか事務所のスタッフが街を歩くのではなく、選手がそれぞれの地元のスポーツ少年団と良好な関係を作っていきながら、そこにキャラバン的に行って一緒に遊んでくるとか。そういう活動はオフシーズンになったら今まで以上にやろうと思っています。この間、9月に北区アクアスロン大会(※4)がありましたが、ああいった所に選手を関わらせて、「地域の底力があるから我々はサッカーができているんだ」というシンパシーを、強制的にでなく雰囲気で教えていくことが大事だと思っています。

-それも取り組んでいる最中であり、ピッチ上での結果以外のところでも同じように結果を出していこうと?

宮坂 だからヒヤヒヤものなんですけど、当然リーグ戦の最中にそういう地元のイベントが重なるので、「お願いします、この日だけは試合入れないでください」という耳打ちをしながら(笑)。意地の悪い人だったら公式戦を入れちゃうかなと思うけど、今年は入れないでくれたので参加できました。

-いかに地元の人達に、自転車で5~10分の距離にある赤羽スポーツの森公園まで来てもらうか?

宮坂 少なくとも赤羽スポーツの森公園陸上競技場のメインスタンドを満杯にするのが、当面の目標ですね。300人くらいしか入らないと思うんですけど(今のスペリオ城北にとっても)丁度いいぐらいの観客席ですし。それくらいは地元のファンで観客席を一杯にするのが、(地元密着度を示す)一つのバロメーターかなと思っています。

※3 既にクラブは吉見章監督と2012シーズンの契約更新をしている
※4 2011/9/25に開催された大会にスペリオ城北の選手・サポーター達が運営ボランティアで参加している

(了)

~Vol.2に続く~

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