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#26 FC町田ゼルビア 秋田監督解任で楠瀬氏に託されたもの

非常事態のFC町田ゼルビア 今こそ『共闘 想いをひとつに』を体現する時

JFL前半戦の大一番、6/23(日)AC長野パルセイロ戦の大敗から2日後の25(火)朝に、FC町田ゼルビアは成績不振を理由に秋田豊監督の解任を発表した。後任の監督はすぐには見つからず、楠瀬直木 強化・育成統括本部長 兼 強化部長が暫く監督代行を務める事となった。監督解任発表の翌日6/26(水)東京都多摩市の練習グラウンドで行われた楠瀬会見レポートし、今季JFL前半戦のFC町田ゼルビアを振り返ってみたい。

秋田監督産みの苦しみの後の連勝劇

今年1月、玉川学園講堂で行われたクラブ新体制発表会で、秋田監督はシーズンの抱負をこう語った。

「今までにないくらい厳しく、『こんなにやるの?』というくらいトレーニングをしています。今はJFLですけど、プロとはどういうものかを伝えていきたいと思っています。周りのチームは必ず僕達をマークしてきますし、色々な対策をしてくると思います。時には勝つ意思がないのではというくらい守りを固めてくるチームなど、一泡吹かせようとしてきます。ただ、どんなチームが来ても勝てるようにしていきたいと思います」

史上初のJリーグからの降格クラブとなったFC町田ゼルビアだったが、同時に、JFLからJ2に帰還する史上初のクラブになれる可能性がある。下馬評では優勝候補の筆頭であり、警戒してくる相手を打ち負かさなければならない難しさもある。だからこそ、秋田監督は準備を怠らなかった。過酷なトレーニングで選手達を追い込み、鍛え上げた。それもこれも、1シーズンを通して高いパフォーマンスを発揮し続ける為である。ところがJFL開幕戦でチームは予期せぬ事態に直面する。

昇格組の福島ユナイテッドFCを野津田競技場に迎えたこの試合を、ゼルビアは0-1で落としてしまう。相手の勢いに押し込まれ、次第に自分達のリズムも見失ってしまった。まだチームとして熟成させければならない事がたくさんある。そう感じさせる試合だった。

守備の要であるDF深津康太は、後にこんな事を話してくれた。 「まだチームとして何をして良いのか、選手自身が分かっていなかった。開幕戦で負けた事で『ヤバイ』という雰囲気になって、どういうサッカーをしていくのか、皆で話し合う事が出来た」

黒星スタートと、望む結果は得られなかった開幕戦だが、この負けをチームはしっかり活かしている。第5節からは6連勝を達成するなど、期待された姿を見せ始めていた。最終ラインからボールを繋ぎ、司令塔のMF庄司悦大が精度の高いキックでワイドに展開する。FW鈴木孝司はエースとして覚醒しつつあり、ルーキーのFW村上聖弥も能力の高さを示していた。ピッチを広く使って攻めるパターンは、今年のゼルビアの特徴の一つだ。

昨シーズンは、パスは回るが相手ゴール前を崩せず、チャンスを生み出せなかった。秋田監督も改善点は承知しており、崩しの局面でプレー精度向上に努めてきた。 「アイディアの所は少しずつ良いものが出てきているし、だからこそチャンスも作れている。最終的なフィニッシュまでいかない事もあるけど、攻撃の構築はある程度出来てきている」(秋田監督) もちろん、J2とJFLでは相手のレベルも違う。それでも、トライし続ける姿勢は成長した部分であり、それが6連勝を後押ししていた。

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