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#169 11/17 なでしこリーグ入替戦 第1戦 スフィーダ世田谷FC vs FC吉備国際大

ロングボールを回収した吉備国際大がボールを握り始めると、それがボディーブローのように効き始める。18分には最終ラインでのバックパスを奪われてピンチを招くが、これはGK川口真奈が好セーブ。続く20分にも最終ラインを突破され、川口も交わして無人のゴールにシュートを放たれるが、これは枠を外れた。前線からの守備でリズムを掴んだ吉備国際大が試合を支配し続けた。

相手にペースを握られたまま遂に失点

そして38分、均衡が破れる。吉備・MF重政が右サイドからクロス性のボールをゴール前に供給。これがGK川口のニアサイドを破り、そのままゴールネットを揺らした。ゴール自体はやや幸運なものだったが、主導権を握っていた吉備国際大が先制して、そのまま前半を終えた。

後半、スフィーダは自分たちのスタイルを貫くことで打開策をはかろうとする。指揮官がハーフタイムの指示を明かす。

「前半、相手は自分達のサッカーをしていました。そこで我々が自分達のサッカーを出来なければ、当然、流れも相手に行ってしまう。だからリスクを恐れずにボールを繋いでいこうと話しました」(川邊監督)

後半、反撃に出たものの、なかなかフィニッシュまでは持っていけない。スフィーダは中央だけではなく、MF長澤とMF薄田が両サイドから果敢に切り込むなど縦からも突破する工夫を見せたが、[3-4-2-1]をベースに、ときに5バックとなって守る吉備国際大の守備陣は強固だった。

この状況に川邊監督が積極的に動く。MF峯本、MF田中(真)を立て続けに投入し、中盤を整備した上で攻撃面を活性化。だが前半、守備で奔走させられた代償は大きく、選手達の足が止まり始めてしまう。「後半は運動量が落ちたことで、攻撃のときに枚数が足りなかった」と森。カウンターで持ち込んでも、周囲のサポートが少なく迫力不足となる。試合終盤には、田中(麻)が前線に張り付いて同点を狙うが、最後までゴールは遠かった。ロスタイムにもドラマが起こること無く、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

昇格を狙うスフィーダ世田谷FCとしてはホームでの手痛い敗戦となった。ただ点差はわずか1点差。

試合後の指揮官にも悲壮感は漂っていなかった。川邊監督は言う。「まだ前半をリードされているだけです。今日の結果を受けて、やることは一つだけだと思ってます。それは自分たちのサッカーをやること。むこうに行って、良いゲームをやりたい」

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