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#164 10/26 JFL 第30節 FC町田ゼルビア vs カマタマーレ讃岐

途中出場のFW鈴木が2ゴール

讃岐ボールで後半がキックオフされる時、白いユニフォームがハーフウェイライン上に9人並んだ。そして後半のホイッスルが鳴ると彼らは一気に相手陣地に雪崩れ込む。そんな、先手を取るという意識がチャンスを生み出す。2分、やや遠目からFKを得ると、FW高橋泰が強烈な無回転シュートをゴール右へ突き刺した。

勝つしかないゼルビアに突きつけられた1点のビハインド。ズルズルいってしまってもおかしくなかったが、途中出場のエースが発奮する。後半頭から、ゼルビアはテレに代えてFW鈴木孝司を投入している。17分、ペナルティエリア手前でボールを受けると、相手のマークを外し左足を振り抜く。これがネットを揺らし、ゼルビアが同点に追いついた。スタメンを外された悔しさをゴールという結果に結びつけたストライカーは、30分にも魅せる。右サイドで受けるとドリブルで持ち込み、相手のファウルを誘ってPK獲得。これを自ら決めて、ついに逆転に成功した。

勝利しか許されない試合をモノにしたゼルビアだったが、試合後、楠瀬監督代行は攻撃陣に言及した。

「向こうは木島(良)と高橋とあと一人くらいで何とかしますし、ウチもそういう決定力を持っていかないと」

サイドが高い位置を取るチームのスタイル上、外を使う選択肢は常にある。しかし、それに偏ると相手に読まれてしまう。ゴールをこじ開けるという意味でも、中央からの突破を使っていきたい所だ。

この日で7試合目の逆転勝利だ。最終的に勝点3を獲得出来ているとはいえ、「点を取られて火が付く、非常事態になって本気になるのは外的要素」だと楠瀬監督代行は言う。この日はビハインドを背負う展開で、後半27分には楠瀬監督代行が退席処分を受けている。

こうした状況は、選手に力を引き出させる要素になったかもしれない。だが、本来はスタートから最大の力を出せなければならない。逆転勝利できるという事は、力は元々あるのだ。しかし、それを最大限発揮出来ていないからこそ、今の順位にいるのも事実。

カマタマーレ讃岐との大一番を取った事は、ラスト4試合に向けて自信になるはずで、もし落としていればシーズンが終わったといっても過言ではなかった。

ギリギリのところで踏みとどまったが、依然として厳しい状況に変わりはない。この試合やJ2復帰に懸ける思いは見られたが、この気持ちを切らしてはいけない。既に尻に火がついて久しいからこそ見られるであろう、FC町田ゼルビアの“火事場の馬鹿力”に期待したい。

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