#148 8/25 東京都サッカートーナメント決勝 横河武蔵野FC vs 日本体育大学
MF林のゴラッソが試合を動かす
両者とも選手交代なしで迎えた後半10分、横河は左サイドでMF小野佑輔がタメてスペースへ出す。そこに走り込んだDF平岩宗がそのままフィニッシュに持ち込むも、シュートはミートせず。日体大も19分に長谷川がカットインから狙うなど、互いにゴール前での場面を作り出すと、ようやく試合が動き出した。
22分、横河がチャンスを掴む。金守のインターセプトからMF林俊介がドリブルで持ち込むと、左足を一閃。ミドルレンジから強烈なシュートを突き刺した。試合の均衡を打ち破る、目の覚めるようなスーパーゴールだった。
「この前に何回か打たなかった場面があった。次は打とう」と決意していた背番号8が、横河に貴重な先制点をもたらした。
試合を掌握しにかかる横河は39分、小野に代えてFW小林陽介を投入。勝っている時間帯にフォワードを送り込んだ。そこには「90分間勝ちに行く、点を取りに行くという姿勢を見せたかった」という、吉田監督の明確な意図があった。
すると40分、中央で受けたMF矢部雅明が右サイドへ送り忰山が中へ送る。ファーサイドで小林が頭で折り返すと、飛び込んだのは矢部。ヘディングシュート決め、勝利を決定づけた。
そして4分間のアディショナルタイムが経過し、主審が高らかとホイッスルを吹き鳴らした。横河はこれで、東京都サッカートーナメント2連覇を達成した。天皇杯本戦出場はもちろんだが、ハイレベルな東京都を2年連続で制した事も特筆に値する。
今大会で横河は、東京都代表に相応しい戦いを見せてきた。決勝では、セカンドボールの争いに勝った事で望み通りの試合運びが出来た。
日体大のキーマン・稲垣を抑えた事で、相手の攻撃力を半減させる事にも成功。前半35分に唯一攻め上がられたが、このピンチを体感した事で更に稲垣への警戒度も増したはずだ。それもあってか、後半はほぼ仕事をさせなかった。
攻撃に関しては、今シーズン取り組んできた事が形となった。後半10分にDF平岩宗が果敢なオーバーラップからフィニッシュに持ち込んだが、前半にはDF小山大樹も何度か攻め上がっている。 「疲れちゃうんですけどね」と小山は笑うが、3バックの左と右が前へ出れば、それだけ攻撃に厚みが生まれる。リーグ開幕の春先に吉田監督は「チャンスがあれば後ろの選手もどんどん攻撃参加して良い」とも話していた。