#137　7/24 東京都サッカーT　社会人代表決定戦　FC町田ゼルビア vs 東京23FC

最後まで集中を切らさなかった東京23FCに歓喜の瞬間

前半は良い所を見せられなかったゼルビア。相手を勢いに乗せておいて、ペースが落ちた所で畳み掛けるつもりだったのかもしれないが、そうではなかった。

「相手の運動量やボール回しに若い選手が翻弄されてしまった」と楠瀬監督代行の言葉通り、ゼルビアは東京23FCに振り回されたまま前半を終えた。後半開始からMF杉本竜士を投入し、ペースを奪い返しに出る。左サイドに入ったスピードスターが攻撃を活性化させていく。

東京23FCも負けていない。後半11分、DF渡邉敬人とのパス交換からMF田村聡がディフェンスラインの裏へ浮き球を送る。これに山本が抜け出すも、ファーストタッチがわずかに長くGKにセーブされた。

17分、東京23FCにアクシデントが起こる。キャプテンの田村が負傷でピッチを退き、米山監督はMF中山友規を投入。本来は守備的な選手だが、前線での競り合いや前からのディフェンスを考慮し、そのままトップ下に入った。

杉本の投入で息を吹き返そうとしていたゼルビアに、最大のチャンスが訪れる。20分、相手のバックパスが短くなったところを南が拾い、GKを抜き去ろうとして倒されPK獲得。ここまで明らかに東京23FCペースだったが、このPKが決まれば精神的にも肉体的にもガクッと落ちる。東京23FCの健闘もここまでか、と思われた。しかし、ゴール左へ蹴った南のシュートは、GK岡本翼が完全に読み切って弾き出す。これで試合展開はまた分からなくなった。

痛いPK失敗となったが、ゼルビアは気落ちする事なく攻撃を続ける。急先鋒となったのは間違いなく杉本。この辺りから左の杉本をマークする東京23FCの右サイドの選手達の足が吊り始める。杉本を一人で止める事は不可能に近かった。東京23FCにとっては、まさに死闘。一瞬でも気を抜けばやられる。

そんな緊張感が、彼らの集中力を更に高めたようだ。特に、田仲だ。42分、猪股のパスを受けると中央を単独で進む。ディフェンスをひらりとかわすと、右足を踏み込む。ズドン、かと思ったが意表を突くループシュートを放つ。放物線を描いたボールは惜しくもクロスバーを超えた。