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#77 9/9 天皇杯 2回戦 FC東京 vs 横河武蔵野FC

アマチュアクラブの現実 平日夜の練習は週2~3回の2時間

9/2(日)の天皇杯1回戦の勝利後、1週間後にFC東京に挑み、勝利をものにした横河武蔵野FCの選手達。しかし、その準備は決して万全のものではなかった。それは、横河武蔵野FCの置かれた環境にある。

「いつもは横河電機の正社員の営業職なんです。よくあることですが、出張であんまり練習に参加できない時間もありますからね。ちなみに、明日も朝から会議なんです(笑)」(GK飯塚)

「僕は人事部に配属されています。新人研修の教育とかやっていますよ。ケガしていた期間は仕事終わってから体を動かしてくらいしかできませんでした(苦笑)。5バックの練習も1週間やったとは言いますが、全員がそろったのは火・木曜日の2日間だけなんですよね。ラグビー部など他の部活動もありますし、グラウンド全面を使えるのも限られていますしね。」(DF金守)

グラウンドが使えない時はフォーメーション盤を“青空教室”のような状況で共有しながら戦術の確認を取ったという“街クラブ”のチームが、隣町のディフェンディングチャンピオンを破る。ある意味、東京のサッカーシーンにとってエポックメイキングな出来事と言ってもいいかもしれない。

FC東京の石川は「Jクラブにとっては、毎年乗り越えなければならない戦いだと思います。悔しいけれど、この敗戦から学べることがあると思います」と話した。

それは、サポーターも同じ想いなのかもしれない。

愛するホームチームを盛大なブーイングで迎えた後、FC東京サポーターはピッチを後にしようとする横河の選手達に軽いブーイングを浴びせた。

ただ、それは嫉妬心ではない。 『こっちに来いよ!』という意味だった。

横河の選手達がFC東京のゴール裏に向かうと、FC東京に浴びせたブーイング以上の歓声で『ムサシノ!』コールで迎えた。それに応える選手達と、幸福そうな反対側のサポーターの表情。

『武蔵野ダービー』を育む萌芽が、生まれた瞬間だったのかもしれない。

試合後の両チーム監督・選手コメントは4ページ以降に続く

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