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#76 9/8 天皇杯 2回戦 東京ヴェルディ vs HOYO大分

東京Vユース・MF中島翔哉がトップチーム公式戦デビュー

後半が始まる前、東京Vサポーター側のゴール裏から大きな拍手が起こった。理由は、東京Vユース所属のMF中島翔哉に出番が回ってきてからだ。飯尾に代わって投入され、そのまま中盤の左サイドに入った。

後半9分、中島が積極的に仕掛ける。スペースでボールを受けると、ドリブルから迷うことなくシュートを放つ。わずかに外れたが、結果を残してやるという気概が見えた。

中島について高橋監督代行は、試合後の記者会見でこのように語った。

「人一倍努力をする、メンタルも非常に強い。こういうゲームで途中から出ても、いつものプレーをしてくれる」

8月の東京都サッカートーナメントで、中島は東京Vユースの選手として天皇杯の出場を目指していた。準決勝でJFL・横河武蔵野FCにPK戦で敗れたものの、鮮烈なインパクトを残した。囲まれても全く奪われる気配がない。加えてただキープするだけでなく、持ち味のドリブルで前進しフィニッシャーにもなれる。

この日のHOYOもJFLのチーム。十分通用することは間違いなかった。ただ中島は、それだけでは決して満足しない。「ここでやっていけないとプロ相手には通用しない。だからこそ、今日は結果がほしかった」と話した。

スピードに乗ったドリブルやスペースを突く動きで攻撃を活性化させたが、ゴールという結果は残せなかった。中島にとって、それが何より悔しかっただろう。 「これから成長していく選手の一人」と高橋監督代行が期待を寄せるように、プロに混じって練習を積んでいくことで、中島は更に進化できるはずだ。

後半20分にはMF小池淳輝、84分にはFW阿部拓馬をそれぞれ下げ、MFアレックス、FWジミー・フランサという出場機会が少なかったブラジル人選手を投入する。

後半アディショナルタイムには、そのジミー・フランサがコーナーキックからヘディングゴールを決め、東京ヴェルディが3-0で天皇杯の初戦を締めくくった。

 
2年半もの間、チームを率いてきた川勝監督の突然の辞任という非常事態の中、東京ヴェルディは約1ヶ月振りの勝利。試合後の監督・選手・チーム関係者達の表情には、喜びよりも安堵の気持ちが表れていた。これで忘れていた“自分達の勝ち方”を取り戻す事ができた。リーグ戦が残り10試合となった今シーズン、再浮上のキッカケは掴めただろう。あとは残された者全員が“One.”になり、J1復帰を果たすだけだ。

<試合後の監督・選手コメントは3ページ以降に続く>

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