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#16 12/4 復興支援チャリティマッチ 日テレ・ベレーザ vs アーセナル・レディースFC

<日テレ・ベレーザ 野田朱美監督 記者会見>

-打ち合いを望まれていたが、試合を終えての感想は?
「ミーティングでも今週1週間、選手に前から行こうと言っていて、INAC戦のビデオを見たんですけど、代表とかでもよく知っているんでヨーロッパのサッカーが速いのはわかっているし、強いのもわかっている。だけどあえて前から行きたかった。特に両ワイドのヤンキーとホワイトのところはサイドバックが対応して更に押し出そうということで、もちろん裏が空くのもわかっているんですけど、今自分達がどこまでできるかということと、世界と戦ったことのない選手も当然いるので、肌で色々なことを感じられる。勝負にはこだわっていたんですけど、親善試合なので良い経験になれば良いなと1週間やってきて、その結果3点ともそれしかないよと言っていた3失点だったので、本当に良い意味でアーセナルさんが世界のサッカーを見せてくれたということ。やっぱり速かったし、それは選手も肌で感じていたと思います。そんな試合でした。」

-攻撃の組み立ての部分で、ボールを取る位置が低かったりなかなか前に行けなかったが、折り込み済みだったか?
「そうですね。横パス、短いパスは有効。相手は大きいからその分ターンが遅れるので、うちの方がターンは早いという所は生かそうと。ただ横パスはリーチが全然日本人と違うからやっぱり引っかかる。自分達の感覚でやっていると引っかかるよというのはずっと言っていた。ただ縦に関しては短いパス&リターンで崩せるからそこは狙い目だよねとずっと言っていました。やっぱり予想通りというか、リーチの差で引っかかる。タイミングを少しでもずらすことができれば随分変わったと思うんですけど。裏も狙いは悪くなかったと思ったんですけど、越えるであろう所で越えてこない、そこを越そうと思えばボールが出てしまう。そこでもう一工夫、間合いという所は課題が見えたかなと。本来誰が相手でもできないといけないですけど。」

-ワールドカップと同じやられ方に見えたが?
「私もそう思いました。今思うとやめれば良かったんですけど、ミーティングの時に分析映像でINAC戦の所をたくさん見せたんです。最後にワールドカップのイングランド戦の失点シーンを抜き出したんですよ。ループシュートとヤンキーのプレー。シュートのタイミングと角度には注意しようねとずっと言っていた。うちはゾーンでやっているんですけど、ゾーンすぎるとやられるよと。そういう意味では対応はできたと思います。1対1で怖がらずにいっていたのは良いんですけど、やっぱり力負け。3失点とも力負けだったなと。身体能力をフルに生かされたなと。これはうちだけでなく日本の課題。日本のやっていかなければならない部分だと思うので、本当に良い経験だったなと。村松なんて多分裏への対応でぶっちぎられるというのは、裏への対応に関してはリーグでは見たことがない。長船もチームで1、2を争う俊足なんです。それがぶっちぎられるというのは、本当に世界にはまだまだ速い人がいるし、そこの対応をどうしていくかというのはこれから個々の課題にもなると思います。」

-逆に日本の女子選手が通用する部分は?
「短いパスが有効だと言っているものの、何本しかなかったんですけど、逆サイドに一発で展開していくとか、木龍とかのサイドからの突破などは思ったよりいけるなとわかりました。サイドを抉っていくとかはもっともっとやっていけば、うちだけでなく日本としてもまだまだ伸び代のある所だなと今日見えました。」

-攻め込まれるとなかなかボールを奪えない。相手の勝負強さとは?
「正直アーセナルは日本人への対応にこの短い期間ですごく慣れたなと正直思いました。最初に見たのと両ワイドは別人のようだったし、ワイドはそんなに仕事しないよなんて言ってたんですけど、今日はすごく仕事していた。わかっているなと思ったのは、2列目からの飛び出しは半端じゃない。多分INAC戦よりはるかに多い回数上がってきていたし、そこにシンプルに入れてきた。比較的アーセナルは蹴らずに繋ぐよねと言ってたんですけど、今日はどちらかと言うとシンプルに来た。ワールドカップのようなシンプルさに日本人は弱いというのを突いてきたなと。そういう意味ではすごく良いチームだなと思って見ていました。」

-ロンドン五輪に向けて自信をつけさせてしまったのでは?
「実際相手はボール支配や回し方はカツカツだったので、追い込んでいけばキックは正確性に欠けて自分達で外に出してしまうところも多く見えたので、相手もそういう課題が出たと思うし、ロンドン五輪に向けて日本も前からいくよというのが見えてくれたら良かったです。」

-海外のチームと試合をする機会が代表に入っていないとなかなかない。強くなるためには物差しが必要になると思いますが、そういう意味でこういう試合、クラブレベルでの試合があることについて
「本当に今日、村松とか小林海青はアンダーカテゴリーの代表に名前を連ねて準優勝しているんですけど、それでもA代表の選手を相手にすると苦戦するというのは、実際肌で感じないと言っただけでは経験には絶対ならないと思う。痛い思いをして初めて自分のフィジカルや足りない所、1対1の対応は経験でしか積めないんだろうなと。自分も選手だったので、こっちが教えるというよりは経験。そういう意味ではこういう機会があれば良いし、ベレーザで海外にも行きたいなと。そう思いたくなるような経験を今日はさせてもらった。本当にアーセナルさんも過密日程の中、真剣に勝負してくれたことはお互いにとって良かったなと思います。」

-間合いとかは違ったか?
「リーチとタイミング。INAC戦の同点ゴールは、あのタイミングでは絶対打たないよねという。リーチがあって、日本人だったら空振りだよねと。届かないし。今日も何本か早いタイミングで打たれた場面があったんですけど、そこの間合い、対応としてはねちっこくと言っていた。ただ、球際のぶつかりあいになって負けると突破されてしまうからネチネチネチネチ間合いを詰めながらずっといこうと。できなかった部分が3失点という所でした。ただ、できている部分もすごくあったので、それはこれからもチームとして生かしていけたらなと。」

-今年のベレーザは若いが、選手権に向けて
「ミスも多かったが、左サイドの小林海青。いつも出ている須藤が怪我で小林を起用しました。以前からやらせていて、まだまだの部分はたくさんあるんですけど、裏へのボールの質やキックの部分は見えたし、フィジカル的にもアップダウンができるというのも見えた。選手権に向けて良い戦力になると思います。」

(ベレーザ選手コメントは4ページに続く)

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