#14 横河武蔵野FC 吉田康弘監督インタビュー
社会人チームの宿命と言うべき課題は、モチベーションの高め方だろう。皆、純粋にサッカーが好きだ。だが、仕事の都合で練習に参加できなかったり、仕事で問題が起きてサッカーに身が入らないといった事がよくあると思う。吉田監督も言っているが、社会人にとっては仕事が最優先。そこからサッカーに気持ちを切り替えさせる事が大事になってくる。仕事のストレスを上手くリセットできれば、選手個人にとってもチームにとっても最高のパフォーマンスを引き出すことになるのだろう。
-現役引退後すぐにコーチ業を始めていますが、現役時代から指導者には興味があったのですか?
吉田 ベテラン、というか20代後半ぐらいになった時から、そういう目では見ますよね。トレーニングにしても選手目線プラス、どういう意図があってこのトレーニングをしているのか?という事を考えながら練習していました。どの指導者の方も印象に残っていて、トレーニングの参考にしています。
-かつて在籍されていた鹿島アントラーズは、監督の理想に近いチームかと思いますが、当時のプレー経験が今の考え方のベースになっていますか?
吉田 そうですね。(接戦の)難しい試合が必ずあると思うんですけど、その中でどうやって勝ちに繋げられるか、そこが大事だと思いますね。本当に泥臭く、最後まで諦めない姿勢ですよね。
-Jリーグでプレーしてきて「この選手は凄かった、参考になるな」という人はいましたか?
吉田 まぁ、色々な選手ですよね。皆、プロ選手なので、何かしら良い部分を持っているのは間違いない。逆に、色々な人から良い部分を吸収できないと、なかなかプロでは生きていけないと思います。だから1人だけじゃなくて、「この人も良いし、この人も」という風に見ていましたね。サッカーは個人競技ではないですし、横河の選手も個々に本当に良いものを持っている。後は、そういった姿勢でやるか、やらないかだと思いますよ。
-2年間務めた明治大でのコーチ経験は、横河で活かせますか?
吉田 世代的には、今の横河の選手達もそう変わらないと思いますし、カテゴリー的には実力は同じような感じです。ただし、学生は(サッカーだけではなく)教育の部分の大切さも含まれていますよね。もちろん社会人にも仕事がありますけど。大学生の場合も、まず学業が優先。そこが社会人とは完全に違うところでしょうか。そういった(それぞれ違った)環境の中でも、指導者としてどれだけ出来るかだと思っています。
「サッカーができる環境がある“幸せ”を感じて欲しい」
-現役選手、社会人リーグでの経験と比較して、横河武蔵野FCの環境面はいかがですか?
吉田 環境は良いほうだと思いますよ。選手達にも今日のミーティングで言ったんです。「(自前の)グラウンドもあって、サッカーができる環境があるということ自体が幸せなんだから、それを感じながらやって欲しい」って。
-大学の環境面はどうでしょう?施設はもっと充実しているかと思いますが。
吉田 大学も素晴らしいですね。常に自前のグラウンドがあり、そこでプレー出来る。今のJ2クラブよりも、良い環境のチームもあると思いますよ。横河も大学と比べれば劣りますが、JFL全体の中では良いほうでしょう。
-他の地域と比較しても、横河武蔵野の環境は恵まれていると?
吉田 まず、仕事を見つける上で、東京は見つけやすいのかなと思います。選手達も生活が懸かっていますし、家族がいる場合は余計に大事になりますよね。