#11 スフィーダ世田谷FC 川邊健一監督インタビュー Vol.4

－お話を聞いているとフットサルをイメージされてるのかなと感じます。

川邊　そうですね、考え方的はフットサルに近いのかもしれない。選手達には色んなテクニックを身につけさせてあげますよ。例えば、前の選手が、後ろ（※DF）から入ってきたボールを自分の後ろ（※より前方）にパスするってなかなか難しいと思うんです。選手がインサイドしか使えなければ、ボールを止めてドリブルで前を向くか、あるいはワンタッチで叩いてターンして前に行く、とか。

－ボールコントロールのやり方だって何種類もあるじゃない、と。

川邊　では、ワンタッチでどうやったら自分の後ろにパスができるかって、スルーをすればそれもパスになる。あるいはウチで言うところの「すらし」というテクニックがあるんですけど、来たボールを擦って触ってあげて流してあげるテクニックも、練習すれば出来る。そういう理論をもとに、相手が予測できないプレーを連続して組み合わせていくのが、スフィーダの理想のサッカーなんです。

－その理想のサッカーを実際にプレーできるようになるまで、当然ですが時間はかかりますね。

川邊　それは当然の事で、今のトップチームの選手達でもすぐには出来ないんです。練習する時間が無さ過ぎて。身体に染み込ませてないと出来ないプレー、技術なのでアカデミー組織の子達は逆に上手いですよ。まぁ、それしか練習していないですから（笑）

－前回のお話にあったように、U-13、U-14、U-15、ユース、トップと一貫させる体制が整った事で、数年後のトップチームはより理想に近づきそうですね。

川邊　意表を突く事の連続で観客も喜んでくれるし、その連続で勝てないチームに勝てるわけなんですよね。「勝てないチームに勝つ為に始めたサッカー」も、今は見られるサッカーになってきているので、そういう意味では観客も喜んでくれています。でも今はまだトップチームで完全に表現しきれていないのは僕も分かっていて、アカデミー組織の子供達が増えていってそれが自然に出来るようになると思っています。

－色々な話を聞かせて頂き、ありがとうございました。今後もスフィーダ世田谷FCの活躍を期待しています。

川邊　まだまだ未熟なチームですけど、結果も内容も皆さんを楽しませる事ができるように、我々もベストを尽くしていきますので、是非一度、試合を観に来て頂きたいと思っています。

（了）