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#11 スフィーダ世田谷FC 川邊健一監督インタビュー Vol.4

-中学生チームながら2002年に東京都3部リーグ、03年に2部、04年に1部リーグと、毎年昇格しましたね。

川邊 男子の場合、中学生で急に身体が大きくなったり、足が速くなったりする子が沢山います。それこそ小学生の頃は、二軍で全然試合に絡めなかった子が中学生でいきなりチームのエースになったり、身体能力が急激に上がるという事がありますが、女子の場合にはそれが無いんです。もちろん筋力が多少ついたり、身体が大きくなったりするんですけど、足が急に速くなるとか瞬発力が上がる事は無いんです。

-確かに中学~高校年代の男子と、女子の身体能力アップは決定的に違いますね。

川邊 スフィーダの場合も、トップチームの選手達とU-13(中学1年生)を短距離で競争させると、中学1年生の方が速い子が沢山いるんです。あるいは長い距離も中学1年生の方が走れる子が沢山います。もちろん、それに負けないようトップチームの選手達も鍛えるんですけど、身体能力に大きな差が無い中で何を伸ばせられるかと言えば、技術だけなんですよね。ひたむきに技術だけを身に付けていかなければならない。要は自分達が教えた技術が直ぐに選手達に反映されるんですね。

「正確な技術が身体能力の優劣を覆す」

-教えた技術が彼女達の成長に直結する、と。

川邊 例えば、僕が男子のコーチをやっていたとしても、急に(身体能力の成長と共に)伸びたおかげで、その子も上手くなった気になるんですよ。実際に「俺、上手くなった!」と思っていたとしても、それって指導者の力じゃない事が往々にあるんですね。

-確かに、指導者の力量なのか身体能力のアップなのか、見分けはつきにくいですね。

川邊 女子の場合は、正確に技術を教え込んで鍛えなければいけないのです。もちろん身体能力に優れた選手も中にはいますが、そういう選手は自分の能力に溺れて潰れていくケースが結構あります。ちゃんと技術練習しないと、どんどん他の子達に追いつかれて、結局嫌になってやめちゃう選手が多い。そういった選手をちゃんと育てる、あるいは身体能力の低い選手でも技術を習得させ、伸ばしていかなければいけないのが女子サッカーです。だから僕からすると(自分の指導方針が)直に選手の成長に反映されるから、やりがいがあるというか面白いですね。

-それは逆に言うと、選手達からも指導者の力量が計られますよね。

川邊 自分がちゃんと教えなければ、選手に伝えなければ選手は上手くならないんです。言ってしまうと、自分がサボれば何処までも駄目になってしまい、自分がちゃんとやれば何処までも良くなってくれます。あとは、女の子の特性として真面目な子が多いので、ちゃんと着いてきてくれて統制のとれた集団になっていきます。「この人についていけば大丈夫!」って選手達が思わないと良い集団にもなっていきません。女の子は正直なので「コイツ無理!!」ってなるとホントに無理なんですよ・・・(笑)

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