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#7 日テレ・ベレーザ 野田朱美監督インタビュー Vol.1

-サッカー協会内への女性進出も重要だと。

野田 ドイツは組織的にしっかりしている。経験のある人達が色々な分野に入っていく。ドイツ女子代表監督もシルビア・ナイトという(現役当時は)私のライバルだった元10番の選手なんですが、そういった女性進出が、経験のある者が『いるべきポジション』に就いている点で、ドイツは世界で一番進んでいると思います。あの大会の成功というのは、サッカー文化が根付いる、どの試合にもお客さんが来てくれる、大会運営に関してもミスがない、その全てが女子W杯を大きく盛り上げたと思うんです。そういったドイツサッカーの現状が、以前から刺激になっていました。

独サッカー界の女性進出とW杯成功で感じる“自分の役割”

-そういった側面がドイツ女子W杯の成功にはあったのですね。

野田 だから色々な分野で経験を持った人、それが私達の事なんですが、そういう人達がサッカー界に進出していかないといけないので、『ホワイトカラーも現場も問わない』というのが自分の中にありました。決して指導者に興味が無かった訳じゃなくて、そういうチャンスがあったり、場を与えてもらえるんだったら、いつでも(監督に)チャレンジしようとは思っていました。コレしかない!という感じではなかったですけど、常に考えてはいました。

-そんな考えがあった中での、監督のオファーだったわけですね。では、「もし監督をやるならベレーザで」とは決めていたんですか?

野田 いや、「やれるとしたらベレーザしか出来なかった」でしょう(笑) 私自身、まだ女子サッカーが超マイナーな時代、誰も知らない時からプレーしてきました。これは人から言われる事でもあり、自分でも感じる事ですけど、『読売クラブでプレーしていた』という時点で、当時まだチームが弱かったり環境が整っていなかったとは言え、やはり自分はエリートだったんだなと思うんですよね。

-確かに。女子サッカー界のエリート選手として歩んできました。

野田 そこまで苦労した覚えもないし、女子サッカー選手が少なかったという事もありますけど、最初からエースでした。日本代表に選ばれても、今とはライバル争いの熾烈さも違いますが、体も大きかったし、レギュラーにもなっている。結構若い時から中心選手としてやってきて、華々しい一番良い時に辞めて。サッカーでは苦労人かというと、そうではない。環境面での苦労は沢山あったにせよ、個人でいうと『選ばれるかor選ばれないか』という経験もほぼ無いまま、常にエースで、試合に出るのは当たり前で、それがエリートなんだと。周りにも言われるし、それはそうだなと思うところがありますね。

-そんな元エリート選手が監督として戻る場所はベレーザしかないと?

野田 だから、今のベレーザの子達も本当にプライドが高くて、それがベレーザの良い所でもあると思うので、ベレーザ以外のクラブで監督をやるとなると、私には時間がかかるだろうなとは思っていました(笑) 『ベレーザには良い選手が集まってくる』というのも一つ幸せな材料だから、それがどこか当たり前になっている所が、きっとあるのかもしれないですね。

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