『町田でお待ちだ!』 第4回 FC町田ゼルビアの残り10試合、5試合に向けた用意とは?
第4回 FC町田ゼルビアの残り10試合、5試合に向けた用意とは?
リーグ4連勝で、中断期間を迎えたFC町田ゼルビア
6月末から楠瀬直木監督代行が指揮を引き継いだFC町田ゼルビアは、3戦勝ち無しという苦しい再スタートを切った。天皇杯の東京都予選も関東リーグ1部・東京23FCに敗れ、本選出場の望みを絶たれてしまっている。しかしチームはJFL第21節・FC琉球戦から第24節・YSCC戦まで4連勝。9月14 日までの約1か月のリーグ戦中断期間を、少し持ち直した状態で迎えることができた。
ただし「良くなった」と断言できるほど、町田は圧倒的な試合を見せていない。振り返ると4勝中3勝は1点差のシビアな展開である。3‐1と勝利したMIOびわこ滋賀戦も、2‐0とリードしてから1点差に食い下がられ、終了間際に突き放す辛勝だった。4連勝を決めたYSCC戦後も楠瀬監督代行は「残り10分で足が止まってしまった」「つまらないパスミスで相手にボールが渡ってしまっている」と語り、破顔一笑の晴れやかさはなかった。
JFLは既に24試合を終え、残り10試合だ。首位・カマタマーレ讃岐との勝点差が7で、2位・AC長野パルセイロとの勝点差は5。更にリーグ戦が残り10試合という限られた時間を考慮すると、町田が埋めるべき差は決して小さいものではない。
ボールを保持し、アグレッシブに攻める姿勢は間違いなく高まりつつある。一方で悪いボールの奪われ方をして、自陣に全力で戻るようなシーンも少なからずあり、「ミスが出るので、体力的にもロスをする」(楠瀬監督代行)という状況は解消できていない。中断期間のテーマとして楠瀬監督代行が挙げるのも、パスワークの精度だ。
もう一つのテーマが競争だ。楠瀬“強化統括本部長”は人材を厚くする必要性を、以前から強調していた。「昔、ヴェルディがJ2に落ちそうだった時に、他のチームはケガ人が多くて、ベストメンバーを組めなかった。ヴェルディはやたら選手がいて残留できた」という言葉を聞いたのは6月。その言葉通りに杉本竜士、南秀仁、日高慶太らを次々に期限付きで獲得し、8月15日には東京VからDFペ・デウォンの獲得も発表されている。
杉本はソニー仙台戦のファーストプレーでゴールを決める最高のデビューを飾ると、その後もスーパーサブとして出場4試合で3得点という活躍を見せている。小気味いいドリブル、全力ダッシュで相手DFを追う守備も含めて、期待通りのプレーと言えるだろう。日高もYSCC戦で町田デビューを果たした。「運動量とパス、ゴール前のアイディアを持っている」という彼も、ラスト10試合の活躍を期待される存在だろう。