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#1 2012年の東京サッカーシーンをISSUEする

2部リーグと3部リーグが繋がり“串刺し”となった入れ替え制度

FC町田ゼルビアと松本山雅FCが昇格しJ2が全22チームとなった事で、2012年からJ2とJFLの入れ替え制を導入する事(正式発表は1月のJFA理事会の承認後)が検討されている。しかしJFLはプロアマ混合のリーグの為、Jリーグ準加盟クラブがリーグ上位2チームにならければ、実際にはJ2下位チームの3部降格は免れる形となる。またJ1昇格に関しては、J2・3位~6位のプレーオフ制度も発表されている。この2つの制度については、シーズン終盤になれば話題も多くなるだろうから、折をみてFOOT ISSUEでも提言したいと思う。

さて、JFL以下の各カテゴリーの昇格・降格・入れ替えについて説明をする前に、まずは2011年のJリーグから東京都リーグまでのピラミッド図を参照頂きたい。J2とJFLの入れ替え制が導入される事で、各カテゴリーが本格的な“串刺し”で繋がったが、理解を深める為にもカテゴリー別のレギュレーションを紹介していこう。

まず、関東リーグからJFLの昇格はストレートな形ではなく、全国の9つの地域リーグ(関東・関西・東北など)の優勝チームが参加する『全国地域サッカリーグ決勝大会』でJFL昇格を争う事になる。2011年はJFL2チームがJリーグ昇格し、17位・ジェフリザーブスがJFL退会を発表した為、地域決勝の上位3チームがJFL自動昇格となった。

通常のレギュレーションでは上位2チームがJFL自動昇格し、3位チームとJFL16位チームが入れ替え戦となっている。この地域決勝に出場するには『関東社会人サッカーリーグ1部』で優勝するか、『全国社会人サッカー選手権』で優勝するか、となる。東京のクラブとして2011年に地域決勝に出場したのは、全社に優勝した東京23FC(都リーグ1部所属)だった。

ここから少々複雑になるが、関東リーグの入れ替えの説明をしたい。例年は関東1部の下位2チームが自動降格し、関東2部の上位2チームと入れ替えとなるが、2012年からの関東リーグのチーム数拡大(合計20チーム編成)に伴い、2011年は関東1部からの降格チームは無しとなった。また、関東2部への昇格チーム数が4枠となり、各都県リーグの上位チーム(東京都の場合は都リーグ1部・上位3チーム)が参加する『関東社会人サッカー大会』で準決勝に進出した4チームが、関東2部に昇格となった。更に、関東リーグ所属チームが地域決勝でJFL昇格を決めた場合は、5チーム目、6チーム目の繰り上がり昇格の可能性もあった。通常のレギュレーションでは、関東社会人で決勝に進出した2チームが関東2部に自動昇格し、関東2部の下位2チームが各都県リーグに降格となっている。

更に下のカテゴリーの場合、都リーグ1部から関東2部に昇格したチーム数や、関東2部から都リーグ1部に降格したチーム数の増減よって、都リーグ1部から都リーグ2部への降格チーム数も増減し、いわゆる“玉突き衝突”のような現象が起こる。2011年で言えば、都リーグ1部の13位・むさしのFCの1部残留か、2部降格か、が未だ確定していない状況だ。関東2部昇格の可能性を残している東京23FCの結果次第というわけだ。

一度で理解するのは難しいとは思うが、都リーグ2部、3部、4部も基本的には上位チームと下位チームの自動入れ替えとなっている為、2012年からはJリーグ~JFL~関東リーグ~都リーグの昇格・降格制度は相互に関係しているわけで、全カテゴリーが“串刺し”に繋がったと言える。

下部カテゴリーから上を目指すチームにとっては、チーム強化をしながら着実にステップアップを図る目標が明確となった。将来的には7部から3部へ、2部から4部へ、というクラブが出てくる事も考えられる。厳しい条件の中でリーグを勝ち上がる努力も、降格しない為の、そのカテゴリーに生き残る為の努力もどちらも必要となる。東京サッカーシーンの未来予想図を想像するに、今まで以上に各クラブの“目指すもの”が問われる時代になったのではないだろうか。

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